『おうち性教育はじめます思春期と家族編』
フクチマミ
村瀬幸浩
KADOKAWA 2022年12月15日
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「10~18歳までに育む! 思春期の子どもの心と体の変化から親子の距離感まで、全部マンガでわかる」
『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』
の思春期と家族編。
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・「性教育」=「生殖にまつわる話」だと思っている人が多いが、そうではない。生殖に関することは性教育のたくさんあるテーマのひとつ。
・性教育は「いのち・からだ・健康」を知り考える学問。
・性とは本能の問題ではなく、知識や学習によって形づくられる「文化」であり、その基礎は「自然科学」。だから「自然にわかるもの」ではなく、意識的に学習し、身につける必要のある「教養・知性」。
・思春期の男の子の身体の悩みの多くは性器に関すること。「学校では充分に教わらない」「いい加減で興味本位な情報が氾濫している」「相談先がわからなかったり、相談することに抵抗がある」など、間違った情報に惑わされやすい状況にある。
・性について正しい情報を得られるサイトを示したり、書籍を手渡したりして、本人が正しい情報につながる力、セルフケアできる力、自分の身体に対して肯定的なイメージを持つ力を養う必要がある。
・子どもの人生の主役は子ども自身、思春期の子どもがセックスをするかどうかは、本来親が決めることではない。世間体や善悪ではなく、「幸せなことなのか、不幸せにつながることなのか」を子ども自身に考えさせることが大切。
・現在の日本で10代が選択できる避妊方は、主にコンドーム、経口避妊薬(低用量ピル)、緊急避妊薬(モーニングアフターピル)の3つ。
・コンドームは使用方法のミスで失敗しやすい避妊法だが、性感染症を防ぐ効果はある。
・経口避妊薬は、コンドームと違い、女性が主体となって行える避妊法、正しく服用すれば99%以上の効果がある。
・社会的にも性的関係においても男女は対等、平等であるべきだが、性的に親密になることで、対等性が失われることがある。要因のひとつとして、「男らしさ・女らしさ」の刷り込みがある。性別を強く意識しすぎるかとで、「らしさ」が前面に出て、「らしくあるべき」という思い込みが生じる。
・反抗のエネルギーの出方は人それぞれ、良し悪しは言えないが、直接抑圧してくる相手(親など)に向かう場合のほか、かわりに弱いものや自分自身に向かう場合もあるのは知っておくべき。
・思春期の子どもは「包まれることで心が安定する」「包まれることに抵抗を感じる」という2種類の心の動きを持っていて、その出方によって必要な関わり方が変わってくる。
・「包まれることで心が安定する」心の動きに対しては、大人は子どもの寂しさを受け止めて寄り添い、安心できる関係を築くことが大切。
「包まれることに抵抗を感じる」心動きに対しては、親は日常的に子どもを「一人前の人間」として扱い、「サポートできるのはここまで」というライン=土俵を示すと良い。
・必要な時に受け入れ、寄り添ってもらえなかったり、過剰に干渉されたりすることによって、「ひとりの人間としての自立心」が奪われたり揺らいだりしてしまうと、「性的な自立」も揺らいでしまうことがあるので注意。
・「性的な自立」とはセックスをしたいかしたくないかや避妊について、自分で判断して相手に伝えられるようになること、「性的な自立」が揺らぐと、一時的な所属感や安心感を求め!、て性行為に身を委ねてしまうこともある。
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などなど、今作にも忘れたくない大切なことが満載、そのほか、ジェンダーギャップや世界の他の国での性教育、バウンダリー(境界線)についてや性自認、セクシュアリティなど、性の多様性について、中絶についてなど、大人である親自身もしっかりと認識しておきたい内容が紹介されていて勉強になる。
思春期以上のお子さんを育てている方、育てた経験のある方は、皆さん何となくご存じのことだが、思春期になってから親子間で性の話をするのは難しいらしく、やはりそれ以前に、家庭の中で性について身体について、真面目に話ができる土壌を育んでおくことが大切らしい。
我が家の子どもたちは今小学校の低学年と高学年、上の子が5歳くらいの頃から、
『10代の女の子のための性のお悩み相談室』 宮川三代子
『生理だいじょうぶブック』 宋美玄
『赤ちゃんってどうやってできるの ?いま、子どもに伝えたい性のQ&A』アクロストン
などの書籍を参考にしたり、
『とにかくさけんでにげるんだ』 ベティー ボカホールド
などの絵本を一緒に読んだりしながら、防犯対策もかねて色々なことを伝えているが、上の子は思春期に入ったので、良いタイミングでこの本を読むことができてありがたいと思った。
家庭で真面目に性の話、体の話ができる土壌作りには、このような、わかりやすいけれど、しっかりとした内容の本が家に何冊かあるだけでも随分違うのではないだろうか。さっそく購入して家に置きたい。
また、妊娠や性感染症のリスクは身近にある。いざという時、困った時、子どもが親に早めに相談できるよう、日ごろから子どもの言葉に耳を傾ける姿勢を見せておくことも重要だとのこと。精進したいと思う。
