ご当地怪談シリーズ、湘南である。
著者まえがきにもある通り、私が湘南に抱くイメージもサザンと波と太陽とサーフィンといった陽気なものばかりだった(あとサッカーのベルマーレ)。
だが、光強ければ影は濃くなる。陽キャばかりと思われた地にも様々な血塗られた歴史があり、怪異も大人しくはしていないのだ。
私的お気に入りを下記に。
弁慶の涙 死後も忠実な…と思うと、なんとも切ないがいい話。
江の島病 調査したら、医学的に何か見つけることができるかも???
缶 ただただ物理現象に圧倒される。因果も、その正体も不明がゆえに名状しがたい不安が増していく。
夜中に泳ぐ 夜の海って墨汁みたいでただでさえ怖いのに、こんなことが起きたらたまらんね…。
オチョバンバの石碑 なんてパワフル!!
河童徳利 いてほしいUMA。
いつもの著者の作品は死屍累々で胃が重くなるため、チビチビとしか読めないのだけど、今回の地域密着怪談はそこまでヘビーではないので通読できた。
夢を見るのっていいじゃない、よね。