加藤一・編著「恐怖箱 怪画」
アートにまつわる怪異を収集した一冊。
自分が書き手になってから思うのが、本書のようなコンセプト怪談のすごさ。それは、自分だったら企画に合うネタを集めるのに苦労すると思うから…。
美術縛りだと同じような話ばかりになりそうだが、本書には似たような展開の作品はないので安心。
印象に残った話を下記に。
全部正解/つくね乱蔵 タイトルで結末が予想されるのが勿体無い気もするけれど、読み終えて見ればこのタイトルしかないと思えるスッキリ(?)具合。
お猿/内藤駆 ええ話や…。
塀の上のもの/三雲央 とにかくビジュアルが不気味で…夢に出そう。
歪 ー奇譚ルポルタージュ/久田樹生 ノンフィクションの取材形式でヒトの壊れていく様子がリアル。書かれていないところが妄想として浮かび上がり、恐怖を誘った。
夏の掛け軸/高田公太 方言豊かに、体験者の息づかいまで感じられそう。
窯寄せ/橘百花 橘作品には、靄の様に纏いつく不安を想起させられる。世界は我々が想像しているよりも、確かなものではないのかもしれない。
凋落/服部義史 描かれる怪異は王道だけれども、だからこそ大変におぞましい。
開かずの扉/神沼三平太 ミステリー怪談で推理の楽しみがある。
