平山夢明ほか「瞬殺怪談 業」 | 読書日記PNU屋

平山夢明ほか「瞬殺怪談 業」

瞬殺怪談 業 (竹書房文庫)

 最短一行、最長でも2ページで終わる怪談のマシンガン150話超え。
 タイトルは「業」、シリーズ早くも5冊目である。

 当初は再録大半だったものが、ここ最近はオール書き下ろしとなり、作家には厳しく読者には嬉しいシリーズとなった。
 百物語より多い話数を一気読みするもよし、少しずつスキマ時間に読み進めるもよし。


 印象的だった話を下記に。


おいでよ/おどろおどろしい声だったら、たぶん想定内で怖くないのだ。楽しそうで、いかにもフレンドリーだからこそ恐ろしいのだ。

宿/過不足なくかゆいところに手が届くというのか、脳みそを心地よく搔いてくれるかのような、綺麗にまとまった話が素晴らしい。

覚えている風景/思い出さないことは、たぶん幸福なのだろう。

スナカケババ/呪いを投げているのだろうか…?

古井戸/神々しくも禍々しく、もったいない(?)

橋の上から/子供たちの口調がヒヤリと怖い。

溢れ髪/人体から抜け落ちた髪の毛は、どうしてこんなにおぞましいのか…。

上半分/ビジュアルがショッキング!

訳あり人間/心霊と狂気の境目でねじれていく心…。

ヤシの木/それが当然であることが恐ろしい。

頭突き/そうと気づく瞬間に、ゾッ。

注意事項/書かれていないところこそが怖いという、新しさ。

初盆/たまに聞く話ではあるが、恐ろしさと悲しさが半端ない。

ゆきの手痕/怪異との距離感が、グッと縮まる瞬間がサブイボ!

ブラックライト/時間経過が恐ろしい。

乗り遅れ/おかしみと悲しみ。


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