伊計翼「怪談社 書記録 赤ちゃんはどこからくるの？」

怪談社 書記録 (竹書房ホラー文庫) 伊計 翼 竹書房 2012-10-29 Amazonで詳しく見る

　短めの怪談がぎっしり。私のお気に入りを下記に挙げてみる。

「近道がある」地図にない道とは？
　どことなくファンタジックでわくわくしてしまう。著者にはぜひ、夜中に通ってルポしていただきたい♪

「無邪気こそ」サブタイトルにもなったお話。大人の常識を覆す子供の言葉が重い。

「廃パチンコ屋」廃墟探検で、彼が憔悴した理由とは。
　ＳＦちっくで楽しい。最近の怪談シーンは、グロなど残酷性やシチュエーションで背筋凍らせる話より、このような不可思議系の話に新味が多いように思う。

「みどりの世界」弟とともに連れていかれた、奇妙な世界とは。
　これも不可思議系で、ありそうでない話だ。謎の男の正体が、大いに気になるところ。

「墓ガードナー」墓場のアルバイトで、青年が見たものは…。
　最後の大ネタより、そこまでの日々のコネタが楽しくて良かった。

p.s.「さぶいぼ」なんだけれど、Ｎさん、Ｏさんがめまぐるしく入れ替わっているが、ホントはどっち？　何かの叙述トリックなのか？？