今野敏「任侠病院」 | 読書日記PNU屋

今野敏「任侠病院」

任侠病院任侠病院
今野 敏

実業之日本社 2011-10-20


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 阿岐本組の代貸である日村は、組長の思いつきから、つぶれかけた病院の経営再建に携わることになってしまう。地元では、住民による阿岐本組立ち退き運動が巻き起こり…てんやわんやなヤクザの日常物語。

 いやファンタジーだな、こんな人情味あふれるヤクザが今どきいるわけがない…とは思うものの、組長を慕う若者たちと日村のチームワークを楽しんだ。

 血なまぐさい抗争があるではなし、主に頭脳戦なので暴力沙汰が苦手な人でも安心して読めるだろう。
病院の問題点が社会の縮図であるのは描かれた通りで、同じく病院再建を書く(こちらにはヤクザは絡まないが…)海堂尊「極北」シリーズとあわせて読みたいところ。


極北クレイマー 上 (朝日文庫)
極北クレイマー 上 (朝日文庫)