羽田圭介「隠し事」 | 読書日記PNU屋

羽田圭介「隠し事」

隠し事隠し事
羽田 圭介

河出書房新社 2012-01-13


Amazonで詳しく見る


 同棲中の彼女がしげく携帯をいじっていることから、“僕”は浮気を疑い、携帯を盗み見るが…。

 以前読んだ「御不浄バトル」が趣味に合わなかったため、もう読むのは止めるつもりだったのだが、刺激的な表紙にうっかり手が伸びてしまった。いや、「黒冷水」みたいな同居妄想ドロドロものかと思ってさ。

 やはり、純文学ゆえか物語にヤマとオチがない…ジャンル的にそういうものなのであって、著者のせいではないが、盛り上がらず決着もつかずのストーリーにイライラしてしまう。

 彼女の怖さも垣間見えるが、そこから話が大きく動くわけでもないのだよな。
 小橋は都合良すぎるので、てっきり主人公の妄想の産物かと思ったら違うし。そこまでipodにこだわる理由もよくわからないし。

 なんだかいろいろモヤモヤする一冊であった。
 私はこのカップル、別れると予想するよ。互いに誠意がないもん。

 やはり私は純文学とは相性が良くなかったということで…。