【鑑賞めも】 「高橋秀+藤田桜ー素敵なふたり」展 | きょうのめも。book-memo

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最終日に滑り込みました。
行って良かった!
ぜひ展示を!と企画した、企画側の愛を
感じられる素晴らしい展示でしたよ。

 

2人分の展示なので、展示数があることは

勿論、お二人の充実した作品をたくさん

観せてもらえたというのはこの上ない幸せです。

 
 
高橋秀と藤田桜、

お二人の作品が展示されています。

 

夫婦は1958年に結婚。

1960年代半ばから約40年間イタリアに滞在し、
2004年に帰国。
現在は岡山県倉敷市に居を構えています。


時系列に展示された作品の間に

お二人のインタビューも掲載されていて、

それがまたなんとも言えずいい感じ。

 

インタビューを読んでから作品を観ると

作品の背景が見えるというか…

立体的になった気がして、お二人を

より身近に感じることができました。

 

暮らしていると、その時その時で
関係性や距離が変わってくるとは思いますが、
お二人が良い距離感でいられるのは、

きっとお互いが制作活動をしているから

なんだろうな~。と思いました。

 

特に印象深く、考えさせられたのは
「ルーツ」について。

 

 

 

高橋秀さんの出身は福山市新市町。
吉備津神社(広島県福山市新市町宮内にある神社)

が有名で、地元では「一宮さん(いっきゅうさん)」
と呼ばれています。

 

展示冒頭のキャプションの中に一宮さんで
過ごした時の事が書かれており、読んでいると
その情景が頭の中に浮かんできました。

 

幼少時代であるにも関わらず、詳細に語れるほど、
高橋秀さんにとっては思い出深く、心に残っている
のだと思いました。

 

そして、鑑賞を進めていくと終盤で
神社で展示されている作品が登場します。

 

日本からイタリアへ行き、
様々な体験、経験をしたのちに帰国して
制作した作品。

 

それを観ていると

 

「ああ、ルーツに戻るというか
 原体験が刻み込まれているというか
 展覧会の始まりに感じたあの感覚はここに
 繋がるんだな」

 

と、妙に納得しました。
(故郷が近いから何か感じるものがあったのかも 
 しれませんが…)

 

自分に深く刻み込まれているものが、
核となり血肉になっていくのかしら。


自分にとってのルーツって何だろうか?
経験を積んでから出てくる表現って、どんなもの?
私の中に深く残ってるものって何??

 

なんて、少し自分を振り返りつつ
美術館を後にしたのでした。