沖縄での生活も慣れてくると、いろいろなことがわかってくる。

いい面も困った面も。

 

海の美しさは最高で、時間ができると、少し遠くのビーチまでドライブして、そこで本を読んだり、パソコンしたり、ぼーっとしたりしていた。

東京では絶対できないことだ。

これが自分の日常になっていることは何事にも代えがたい幸せだった。

 

その反面、居場所のなさというものもついて回った。

僕が住んだところが那覇のような都会だったらまた違ったかもしれない。

僕の住んだ街は北部の名護だ。北部の中心地で、一通りのものは揃っていて、普通に生活する分にはなんら不便はない。

でも困ったのは居場所がないということ。

これは、物理面と精神面の両面であった。

 

物理面では、自宅でもなく、職場でもない、その中間で自分だけの時間を作れる、所謂サードプレイスと呼ばれる場所がない。

簡単に言ってしまうと、自分の居場所と言えるようなゆっくりできるカフェがない。

店員さんとも顔なじみで、安心感がありつつ、一人になってい物思いにふけたり、本を読んだりするような場所だ。

 

そして、精神面では、人と出会う場がないのだ。

地元の人は、周りに幼馴染がたくさんいるから、外にあえて仲間を作る必要があまりないのだろう。沖縄の人は、自分と近しい人と年を重ねるごとにさらに関係を近しくしていくような感じがする。

それは、外から見ていると羨ましいのだが、その中にはなかなか入りにくい。

例えば、「ジョギングでもしようかな。そんなサークルでもないのかな?」なんて思って、インターネットで検索してみても全くヒットしない。

東京だったら何十とヒットするのに。

たまにヒットしても、場所が那覇にだったりする。(那覇と名護は約70キロ離れている。東京と熊谷。大阪と姫路ぐらいの距離だ。)もしくは、そのサイトのページが3年前から更新されていなかったりする。

こちらで会社などに勤めていたら、職場からいろいろな仲間ができるのだろうが、沖縄で特に地元の人と絡んだ仕事をしていないとそんな関係もできにくい。

これにはちょっと参ってしまった。でも、後日わかるのだが、この悩みは僕だけの悩みではなかった。特定の宛がなく移住して来た人のほとんどが経験していた。

 

しかし、この時の体験が、今経営しているブックカフェをやるきっかけとなるのだった。