沖縄でSHIZUKAという研修を始めた。

ここに思いが至ったのは、コーチングを自然の中でやったらどうなんだろう?と思ったことからだ。

コーチングは通常、スカイプなどを使ってやっている。相手は、自宅であったり、オフィスであったり、カフェにいたりする。いずれにしても街中であることがほとんどだ。

セッションの途中で、思いを巡らす時、周りにふと目をやっても、見えてくるものは、コンクリートだったり、人工物だったり、喧騒だったりするわけだ。

コーチングは基本的には、コーチの側が出す質問に相手が答えていく。都会の人工物を見ながら湧いてくる感情や考えと自然に囲まれた中で出てくる答えは全く異なるのではないかと思ったのだ。

 

僕の住んでいる沖縄の北部はやんばると言われるところで、海だけではなく、山も深い。

沖縄の山は、植林されていない原生林で太陽をいっぱい浴びているせいかエネルギーに満ち溢れている。

この環境の中で問いを投げいったら、きっと感性が洗練されていき、もっと大きな視野での気づきを得られるはずだ。

 

そんなことを思っていると、すでに同じようなことを宮崎県で長友まさ美さん(まぁちゃん)がやっていた。

知人を介して連絡を取り、すぐに会いに行った。そして、まぁちゃんがやってるそのワークショップにも参加した。

実際に、自分の「今の課題」、「問い」を持って森に入ってみる。

ゆっくりと一歩一歩前に繰り出す自分の足に意識を向けながら歩いてみる。

以前比叡山を歩いた時に教えてもらったのだが、そんな歩き方を歩行禅と言うらしい。

足からいろんな感覚が伝わってくる。

やわらかい場所、妙に反発がある場所。

いろんな音もする。

ガサガサ、ギュギュ。

そんなことを感じながら歩く。

途中で、いろんな鳥の鳴き声がする場所にたどり着く。

ひとつの森の中でも、いろいろな顔がある。

静かな場所もあれば、鳥の集会場もあることに気づく。

自分にとって心地のいい場所に腰を下ろしてみる。

そんなことをしていると、だんだん自分というものがなくなってくる。「自分がどうしたいか?」ではなく、宇宙とつながっていき、その中で「自分が何ができるのか?」という感覚になってくる。

その感覚で経営のことや将来のことを考えると、現状の捉われが消えて、思いがブレイクスルーする。

実際に自分が経験してみると、想像通りのことが自分の内面に起きていった。

 

早速、沖縄に戻り、まぁちゃんのワークショップを参考にしながら、沖縄の土地の特性も活かしたプログラムを作った。

それが、SHIZUKAだ。

沖縄は海があるので、森だけではなく、海と森の両方を使うことにした。

海では、波の音を感じながら、自分の感情を発散させていく。そして、その発散させた感情を静かで凛とした空気の森の中で収束させていくプログラムにした。

今までに10回近く実施したが、毎回素敵な会になっている。

特に多い感想が「自分の悩みの小ささに気がついた」というものだ。

自然の中に入ると、自分の悩みは、森全体にある木の中の一本の葉っぱ一枚ぐらいの感覚になるのだろう。どうにでもなる。そんな気持ちになるのかもしれない。

経営者の方に多いのは、自分が考えていた計画は葉っぱ一枚ぐらいに感じるようだ。葉っぱ一枚が自分だけ大きく成長しようと考えいる。

森全体はこんなに広いのに全体の繁栄を考えず、自分だけが大きくなろうとしている。もしくは、海を見て、海の水は無限大にあるのに、海の中に両手を突っ込んで囲って、「これは俺の水だ」とやっている。

そういう自分の小ささに気がつくことが多いようだ。

このことに気づいた方は、その後の生き方、経営の方向性に変化が生じてきている。

 

このプログラム、僕がやることはほとどない。自然が全部答えをくれるのだ。

僕がやることといえば、普段から心を開きやすい場所をたくさんリサーチしておくこと。そして、その時の参加者の特性、気候、日時などで一番心が開きやすい場所にお連れすることだ。

 

SHIZUKAをやって、改めて自然の力はすごいなぁと感じるのだった。