デイヴィッド・ヒューソン No.1.75◇キリング Ⅳ.解決◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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事件は過去の事件と行き来する。事態は更に混迷を極めた。犯人は一体誰なのか。






◇キリング Ⅳ.解決◇ -The Killing-

デイヴィッド・ヒューソン ソーラン・スヴァイストロプ 原作 山本やよい 訳



殺されたナナが身に着けていたネックレスは、21年前に失踪した女性メッテ・ハウゲのものだった。事件はにわかに連続殺人の様相を呈してくる。メッテの周辺を洗い直すサラ・ルンド刑事は、そこに意外な人物の名前を発見した。やがて、闇の中からついに真犯人が姿を現わす! そして、20日間におよぶ捜査が暴く、あまりにも哀しい真実とは? 世界中の視聴者を魅了し、大きな話題を呼んだ警察ドラマの小説版、ここに完結!



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容疑は政界からビルク・ラールセン家へ。タイスの親友であるスケアベックはナナが駆け落ちしようとしていたことを知っていた? そして21年前に行方不明になったメッテ・ハウゲと関わりを持っていたーーー?



トロールスは防犯ビデオのテープを警察に渡した人物を突き止めるがそれは意外な人物だった。そして糸を引いていたのもまた……現市長ブレーマーとのテレビ討論は苛烈を極めるがそこで思わぬ事態が起こる。



運河からは白骨死体が見つかり、メッテと断言される。メルクルがそうだったように運送会社は流れ者が多い。かつてはスケアバックもそうだった。そして生きたナナを最後に見たフレヴォットも……ルンドとマイヤはメルクルの資料を保管しているビルに入るがそこに何者かが押し入り、マイヤが撃たれてしまう。



フレヴォットは埠頭で死体になって見つかったが、マイヤを撃った犯人ではあり得ない。それなら一体誰が? 一方ビルク・ラールセン家は新しい家に引っ越したが末息子のアントンがナナのパスポートを目撃する。ペニレは不安に駆られるがタイスは取り合わない。誕生日パーティーの途中、スケアベックとタイスは子犬を見せると抜け出すがペニレはそれが嘘だと気付き、ルンドに電話をかける……



ナナを殺した犯人は誰か? それを知っていた人物は誰か? 隠していたのは誰か?



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「キリング Ⅳ.解決」です(・∀・)

遂に解決編。あまりにも残酷で悪夢めいた20日間が終わりを迎えようとしています。



……最初からその方向で捜査していれば恐らく1週間ぐらいで事件解決出来た。というか回り道し過ぎだろ!! と突っ込んだ視聴者、絶対居た。

だって基本だろ、それを徹底的に調べるの。つーかなんで最初に気が付かなかったんだ。いや被害者なんだからそこまでチェックしないか← しかしまぁ、犯した罪は永遠に償われない、ってきっとこういうこと。



故に皆の変わり過ぎてもう戻れない感がエグ過ぎる……市長選も思わぬ方に向かい、ハートマン自身色々なものを失ってしまいます。1番可哀想なのは教師のラマですがハートマンもまぁ、巻き込まれて可哀想だったな。



しかし全てを失ったのは間違いなくルンド自身です。警察官としての信用を失い、恋人を失い、マイヤの信頼関係も壊れ……もうスウェーデン行きなど見果てぬ夢でしょう。シーズン2を見るにデンマークに留まるようですが彼女に居場所はあるのでしょうか。その隣には誰かいるのでしょうか。



最後に。小説版とドラマでは結末が違うとヒューソン自身が言っていましたが確かにこんな結末では視聴者は怒りますね。ドラマを観ていないので分からないのですが、おそらくドラマでは最後の写真についての説明が無かったのでしょう。もしそうならこれはとうとう裁かれなかった罪を断罪したいという作者のささやかな抵抗だったのかも知れません。



「キリング Ⅳ.解決」でした(・∀・)/ 

新種ドラッグの供給源を探るうちに自身の意識が分裂し……(*^o^*)/!