迸る激情を、感受性を詩に認めた! それは彼の全てだった! あまりにも早過ぎる熟し方だった……
◇ランボー詩集◇
アルチュール・ランボー 中地義和 編
「季節よ、城よ、無庇な魂がどこにある?」ー10代半ばで詩を書き始め、20歳で詩を捨てたランボー(1854-1891)。放浪と切り離せない彼の詩は、5年間にどんな変容を遂げたか。伝説と謎に包まれた少年詩人が天才と呼ばれるゆえんは何か。『地獄の一季節』全文を含む主要作品をフランス語と訳文で正確に対照し、註解では難解な作品の核心に迫る。
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
1.前期韻文詩(1870-1871年)
(Poésies)
2.後期韻文詩(1872年)
(Derniers Vers)
3.地獄の一季節(1873年)
(Une Saison en Enfer)
4.イリュミナシオン(1873-1875?)
(Illuminations)
5.1875年10月14日付 ドラエー宛書簡に記された詩
(Poéme Inclus Dans La Lette du 14 Octobre 1875 à Delahaye)
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
「彼は……私の異能である」蘭堂は背を丸めて言った。「私の異能は、亜空間内に死体を取り込み、異能化する能力。先代の墓を掘り起こしたのだ。もっとも、一度に使役できる異能生命体は一人のみだが。つまるところ……先代は今、私の使役する異能生命体だ」
太宰も中也も絶句していた。
二人とも異能者は何人も見知っていた。だがこれほど異端な能力、怪奇的な能力を、二人は知らなかった。
人間を異能化する能力。
(中略)
「改めて自己紹介をしよう……」蘭堂は存在しない帽子を取り、胸の前に置いて一礼した。「私の名前はランボオ。アルチュール・ランボオ。能力の名前は『イリュミナシオン』……私の目的は中也君、君を殺し、異能として取り込むことだ」
ーーー『文豪ストレイドッグス 太宰、中也、十五歳』より
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
「ランボー詩集」です(・∀・)
「文豪ストレイドッグス」過去編その4。1.2を争う人気を誇る太宰と中也の出会編です。これ、当時は映画特典だったんですよね〜欲しくて往復4時間かけてゲットしに行ったのが懐かしい(⌒-⌒; )
再会が最悪なら出会いも最悪。2人はもはや思いっきり反目しあう為に生まれてきたんでしょう← そんな2人が死んだーーーというか殺したはずのポートマフィアの先代と奇妙な噂、《荒覇吐》の真相を探る為にコンビを組む羽目になります。ジーザス←
ポートマフィアに連れて行かれた中也はそこで蘭堂といういかにも不健康そうですっごい寒がりな男、蘭堂に出会います。ポートマフィアの準幹部、という肩書きでしたが実は世界でも数十人しかいない欧州の異能諜報員でした。彼は8年前の1件で相棒を失い、行方とその時失われた記憶を取り戻す為に《荒覇吐》たる中也を追っていました。
アルチュール・ランボーは10代で詩人として活躍し、20歳で筆を折りました。早熟にも程がある。迸る、叫び出したくなるほどの激情がたった3年で終わってしまったのが信じられない。ほんとはもっと叫びたかったのでは無かろうか……言葉や単語の1つ1つに無意味なものはなく、それらは宗教や世情とも結びついています。幻惑も……詩を翻訳するって小説を翻訳するよりも大変で難解なんじゃないだろうか。翻訳者に改めて敬意を!
どうして突然その才を投げ打ってしまったのかは詳しくはわかっていないのですが、本書を読む限りポール・ヴェルレーヌに鍵が有る、と思いました。というか年表を見る限り、詩人ランボーはヴェルレーヌと出会った日に生まれ、ブリュッセル事件と共に死んでしまったように思えます。なんだこの共依存は……過去編その5はヴェルレーヌが急襲すると言いますが、本書を読むとその理由が分かりやすいほど分かる。かといってもし「文アル」でヴェルレーヌ転生して来たらランボー死んじゃうわ。
「ランボー詩集」でした(・∀・)/
立ち直ろうとしていたのに。その男を殺したのはーーー(*^o^*)/