フィリップ・K・ディック No.21◇アンドロイドは電気羊の夢を見るか?◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

生きた、本物の動物を手に入れる為にアンドロイドを狩るーーーアンドロイドとは? 人間とは? 命とは?





◇アンドロイドは電気羊の夢を見るか?◇ -Do Androids Dream of Electric Sheep?-

フィリップ・K・ディック 浅倉久志 訳



第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた! 現代SFの旗手ディックが、斬新な着想と華麗な筆致をもちいて描きあげためくるめく白昼夢の世界!



☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆



第三次大戦後、人々の地位を決めるのは動物である。それも生きた、本物の動物。放射能灰が降り注ぎ、殆ど全ての動物が死に絶えた今、本物の動物が飼えるのは裕福な人たちだけだ。それに生きた動物を買うと尊敬される。



サンフランシスコ市警に勤めるリックは電気羊を持っているが、昔から本物の動物が欲しいと切望していた。チャンスはある。火星から逃げ出した人間そっくりのアンドロイドーーーネクサス6型8体がリックの同僚を瀕死の重態にした。彼らを狩れば莫大な賞金が手に入る! リックは勇んでアンドロイド狩りに向かうが……



その頃、「ピンボケ」と呼ばれるイジドアは自分が住み込んでいる廃ビルでプリスという女性と出会うが、どこか奇妙なところがあり……



☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆



「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」です(・∀・)



歴史小説最も題名の名付けに影響を与えたSF作品登場。至る所でこの題名をもじったキャッチコピーや題名を見るのでそれでギネスに載っても良い。こういう時、名訳、というのは確かに存在する、と思いますね。



本書はディック作品の中でも良く知られた作品です。映画は昔すぎて知りませんが、本書は話が明瞭で分厚く無いのでディック初心者にもお勧めできる。



ディック氏、「人間とは何か?」と問う。昨今AIの言葉ば1日1回は聞かれるようになり、考える機会が桁違いに増えました。本ブログでもディック以外にも様々な作家が「人間とは何か?」と問うています。ディック氏はその答えをリックとイジモアの2人を通して答えています。彼ら彼女の形をしたアンドロイドに出会い関わり、会話した感情の揺らぎ、それは人間同士のそれらと変わりません。この答えはきっとAIに振り回され気味の私たちにとっても立派な答えになるのでしょう。



「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」でした(・∀・)/ 

更なるコズミック・ホラーの世界へようこそ!(*^o^*)/