フィリップ・K・ディック No.10◇高い城の男◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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ドイツと日本が世界を支配している、その中でアメリカは、アメリカ人は……






◇高い城の男◇ -The Man in the High Castle-

フィリップ・K・ディック 浅倉久志 訳



アメリカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダンは、通商代表部の田上信輔に平身低頭して商品の説明をしていた。ここ、サンフランシスコは、現在日本の勢力下にある。第二次大戦が枢軸国側の勝利に終わり、いまや日本とドイツの二大国家が世界を支配しているのだ--。第二次大戦の勝敗が逆転した世界を舞台に、現実と虚構との微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書きあげた、1963年度ヒューゴー賞受賞の最高傑作。



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1947年。第二次世界大戦はドイツ・日本の枢軸国の勝利に終わった。世界はこの2カ国によって支配され、アメリカも3つに分断されている。



アメリカの美術品を売るチルダンは敗戦国民として日本人に対して卑屈な態度を取らざるを得ない。ユダヤ系アメリカ人のフランクは職場の工場を馘になり、仲間マッカーシーと易経の導きのもと、アメリカ美術品をでっちあげる。2人が出会う時、両者の中で何かが生まれ、変わる。



ロッキー山脈連合に住むフランクの元妻ジュリアナはトランク運転手のチナデーラと深い仲になる。チナデーラは「イナゴ身重く横たわる」という本を持っていた。それは「高い城」に住む男の手による、枢軸国が「負けた」未来を書いた発禁本だった。



一方ドイツでは最高権力者のボルマンが死んだことでナチ党で権力争いが勃発する。誰が後を継ぐかによってある作戦が遂行されるか否か、未来が分かれる……



ジュリアナは道中様々な事件に遭いながらも「高い城の男」に会いに行く。そして疑問をぶつける。「どうしてこの本を書いたのか?」



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「高い城の男」です(・∀・)



歴史改変SFの代表作、お披露目。

「もしあの時○○だったら?」と考えるのはキリが無いですが人間、どうしても考えたくなるもの。今回は「もし第二次世界大戦に勝ったのがドイツ・日本の枢軸国だったら?」です。アインシュタインが生きていたら気絶しそうな未来です。つーかイタリアどうした。早期降伏したから違うってんのかい、ええ?



わたしたちにとっての歴史改変ifは圧倒的リアル感。被占領国民アメリカ人の生活……多次元世界が存在するならきっとこんな未来? 生やさしい気もしますが……



まさかの「高い城の男」の正体を暴く、が主体じゃないことにびっくりですが最後の会話にたどり着く為、この作品書き上げた感あります。だって「真理」だもの。



現実は連合国側の勝利なんだから。ドイツと日本は勝って争い、アメリカは負けてプライドを取り返す。……新しいアメリカを作る!



「高い城の男」でした(・∀・)/ 

悪意に晒され、騙され、選ぶ道は1つしか無かった……(*^o^*)/