愛を求めて流離う稀代の女好き「ニシノユキヒコ」は何処へ行くーーー？
◇ニシノユキヒコの恋と冒険◇
川上弘美
ニシノくん、幸彦、西野君、ユキヒコ……。姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、傑作連作集。
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1.パフェー
2.草の中で
3.おやすみ
4.ドキドキしちゃう
5.夏の終わりの王国
6.通天閣
7.しんしん
8.まりも
9.ぶどう
10.水銀体温計
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「ニシノユキヒコの恋と冒険」です(・∀・)
女性の心を引っ掴むのがとんでもなく上手な稀代の女好き、「ニシノユキヒコ」の愛の流離の記憶です。息をするように口説いて恋をして身体を重ねてそのくせ他人を自分の中には入らせない……って光源氏かよお前は。こんな男、身近にいたら「絶対に関わらな逃げろ！」と叫びますが自分だったらどうなるか……いや、やだなーと思いながら(身体は重ねないけれど)情が生まれるかも知れない。
ただ光源氏と違うのは恋した愛した女性に絶対に去られてしまうこと。「源氏物語」の女性は拒まない女性もまー居ますが10人の女の子(人)は皆、聡くてニシノユキヒコが本当は愛していない、自分もまた違う、と気がつく訳です。その経緯が10人とも違くて、同じ女だけど多様で面白い。
というかニシノユキヒコの真実の愛の場所は分かり易いほど分かり易い。多分本人も知っていたんじゃないかと思うんだが……そこは彼なりの理性だったのか……最後の宇宙の外側には何がある？ は何故か心に残りました。宇宙が完成するよりも人が愛を見つけるほうが難しい。
「ニシノユキヒコの恋と冒険」でした(･∀･)/
次は新しい作家！ 誰をお迎えするでしょうか！！？(*^o^*)/