ミシェル・スラング 編◇レディのたくらみ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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婦人は犯罪を嗜む。男よりも華麗に、大胆に、密やかに、強かに!

 

 

 

 

 

◇レディのたくらみ◇ -Women's Wiles-

ミシェル・スラング 編 喜多元子・他 訳

 

 

二人はいつも一緒だった。郊外のアパートに部屋を借り、二人とも同じ旅行社に勤め、年に一度割引旅行で南の島へ出かけた。二人の望みはすてきな夫を見つけることだったが、望みが高かったので今まで実現しなかった。ところが、ひょんなことから、姉が恋をした。相手は元教師の老人で、娘夫婦があったが、お金はなかった。二人はいつも一緒なのに、と彼女は思った……。

男と女の世の中で、可愛らしくも恐ろしいのは淑女の奸計ーーー上記「二人姉妹」をはじめ、若手女流評論家が独自の眼で選んだ女による女のための犯罪19件!

 

 

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1.二人姉妹(ジョイス・ハリントン)

 (The Two Sisters)

 

 

2.二度目のチャンス(エドワード・D・ホック)

 (Second Chance)

 

 

3.ギリシャ・リフレイン(フランク・シスク)

 (The Greek Refrain)

 

 

4.ママは何でも知っている(ジェイムズ・ヤッフェ)

 (Mom Knows Best)

 

 

5.ろうそくの炎(ローレンス・トリート)

 (The Candle Flame)

 

 

6.キッチン・フロア(ドロシイ・A・コリンズ)

 (The Kichen Floor)

 

 

7.ガールフレンド(モリス・ハーシュマン)

 (The Girl Friend)

 

 

8.二重の危険(スーザン・ダンラップ)

 (Double Jeopardy)

 

 

9.いつまでもあかんぼじゃいられない(スタンリイ・エレン)

 (You Can't Be a Little Girl All Your Life)

 

 

10.ノリス夫人の観察(ドロシイ・S・デイヴィズ)

 (Mrs.Norris Observes)

 

 

11.殺人へご招待(ジョシュ・パークター)

 (Invitation to a Murder)

 

 

12.レッタ・チーフマンの身代金(スタンリイ・コーエン)

 (The Ransom of Retta Chiefman)

 

 

13.スパゲッティはいかが?(リチャード・デミング

 (Medicine Woman)

 

 

14.谷の向こうの家(マーガレット・ミラー)

 (The People Across the Canyon)

 

 

15.世間体の代価(キャスリーン・ハーシイ)

 (The Cost of Respectability)

 

 

16.プライドの問題(リチャード・A・ムーア)

 (A Matter of Pride)

 

 

17.話し上手(L・フレッド・エイヴァジアン)

 (The Raconteur)

 

 

18.ゼム島の囚人(ジョーン・リッチャー)

 (The Prisoner of Zemu Island)

 

 

19.悲鳴を上げる本(コーネル・ウールリッチ)

 (The Book That Squaled)

 

 

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「レディのたくらみ」です(・∀・)

 

 

時々登場するアメリカ探偵作家クラブ傑作選。本書はその2冊目で犯罪に関わる、いや犯罪を嗜むように犯行を遂行したり、謎を解いたり、それを潜り抜ける婦人たちを集めたアンソロジーです。

 

 

女子婦人たちが非力だなど宣ったのは男子紳士諸君に決まっていますがそんなわけ無いでしょうと鼻を鳴らし嘲笑うが如く彼女たちは大胆に密やかに強かに関わります。その姿は同性の自分ですら恐れ入ります。15とか自分の手を汚さず男を再起不能にしてしまうので怖すぎる。というか上手い。

……しかし時代が時代なんでしょうね。本書に入っているのは女が男に痛い目見せたり、敬服させたりする系統が多く、女が女を痛い目に遭わせる話はほとんどありません。1と8ぐらいです。2つともある意味相手に依存する話。

私たち女が男に求めるのは男が男を尊敬したり、敬意を表するように女に対してもそうして欲しいってだけなのですが……それだけ男女平等が遠いってことが分かります。6と9は女性蔑視が垣間見えるのでそれに対する抗議文学とも取れますが。

 

 

Twitterで「女性らしい視点で書かれた〜」とか言われるのが嫌だ、という呟きを見ましたが女性視点=特異視点という見方が古臭くなっている、という事実が一部分でもあるだけ進歩しているのでしょうね、きっと。

 

 

1つだけ言えるのは女を馬鹿にしたらいけないぞ! ということです。同時に馬鹿にしてはいけないし、いずれは人間誰しも馬鹿にしてはいけない」が全人類の共通事項になれば良いのですが。

 

 

「レディのたくらみ」でした(・∀・)/

超話題作! 今年もこのミスもこれで決まり!?〜(*^o^*)/