ピエール・コルネーユ◇ル・シッド◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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愛した人は名誉にかけて自分の父を殺してしまったーーー名誉と恋に板挟みになった恋人たちの行方は……

 

 

 

 

 

 

 

◇ル・シッド◇ -Le Cid-

ピエール・コルネーユ 秋山晴 訳

 

 

ドン・ロドリグは十一世紀のスペインに実在した勇猛な騎士だった。自分が殺した相手の娘を妻にしたのは、封建時代の慣習で、裁判上の賠償行為であった。これが物語詩の国民的英雄になると、相手の娘ばかりか王女にまで恋されるようになる。ファン・デ・マリアーナの『スペイン史』によると、ドン・ロドリグはゴルマス伯を決闘で倒した。伯爵の娘シメーヌはかたきの人物に傾倒し、王に彼との結婚の許しを請い、もしそれが容れられないなら、法に照らしてロドリグを処刑してくれ、と願い出る。その結果は廷臣たちの総意によら結婚が許される。(以下略)

 

 

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雪組公演

ミュージカル・ロマン『鶯歌春』15場

作・演出 阿古健

昭和52年(1977年)2月18日〜3月23日

*併演公演は「マンハッタン・ラグ」

 

 

フランスの文豪ピエール・コルネーユの名作「ル・シッド」の物語を、中国を舞台に置き換えた恋愛ドラマ。北栄の首都、開封の宮殿と戦塵にまみれた大平原を舞台に、父親同士の反目から恋人・李鶯蓮(東千晃)の父親を殺してしまった若者・趙永徳(汀夏子)が数々の試練を乗り越えてハッピーエンドに辿り着くまでを、美しく、また切なく描いた。汀夏子の相手役として、橋口から東千晃が異動、初めてコンビを組んだ。

 

 

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「ル・シッド」です(・∀・)

宝塚版に舞台化されるにあたり、なぜか舞台が変わっています。別にカスティーリャ王国を舞台でも良かったと思うのでどうして中国に置き換えたのか謎ですが1972年の日中正常国交を意識したのかな? とも思ったり。というかそしたらアフリカの戦いはどこの国に差し替えられたんだろう……

 

 

「ル・シッド」はカスティーリャ王国の伝説「エル・シッド」から着想を得て描かれた、コルネーユの代表作になった悲喜劇です。大ヒットしたものの「従来の演劇の法則から外れている!」と時の権力者リシュリュー卿に批判されて「ル・シッド論争」なる議論を生んだ作品でもあります。新しいものは皆、批判したくなるものなんですねぇ。

 

 

話の筋としては宝塚らしく分かりやすいです。名誉に振り回される男女の哀しさ、名誉と恋の板挟みになる葛藤を描いています。平手打ちって確かに暴力行為だし、許さないことだとは思うけどそれで命取られたらたまったもんじゃ無いですよ(T ^ T) でも中世欧米は家の名誉と一緒に個人の名誉も大事だった時代……これでどうハッピーエンドに転がるのか(悲喜劇って言うんだからさ)当時の観客はハラハラしただろうな〜……

 

 

「ル・シッド」でした(・∀・)/

同じ本の中に「ドン・カルロス(2012年雪組)」の原作になったシラー「ドン・カルロス」も収録されていたので次回はそれを読みます (*^o^*)/