コーネル・ウールリッチ No.4◇マンハッタン・ラヴソング◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

その恋は運命的で、あまりにも破滅的な恋だったーーー

 

 

 

 

 

◇マンハッタン・ラブソング◇ -Manhattan Love Song-

 

 

これは、謎めいた暗黒街を背景として描かれた、狂気の恋の物語である。露骨に、生々しくつづられるこの種の物語での常道とは異なり、文体と筆致は、バーニスの人生を包み込み支配しているエキゾチシズムに彩られている。

 

 

☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆

 

 

ウェイドは恋に落ちた。彼女、バーニスも恋に落ちた。道ですれ違っただけなのに2人にはそれが分かった。ウェイドはこの恋に狂い、彼女の為なら全てをーーー妻のマキシンを含めたーーー捨てても構わないと思うようになる。だがマンハッタンの夜に生きるバーニスはどこか秘密めいたところがあり、いつも何かに警戒し、怯えていた。ウェイドはそれに激しく嫉妬する……

 

 

ある日、ウェイドが滑らせた言葉がバーニスを取り乱させた。2人はニューヨークを出てカリフォルニアに駆け落ちようとする。準備を整えてバーニスを迎えに行った彼を待っていたのは……

 

 

☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆

 

 

「マンハッタン・ラブソング」です(・∀・)

ウールリッチがまだフィッツジェラルド的な純文学を目指していた頃の最後の作品になります。この話を最後に筆を折ったウールリッチは2年後にミステリ作家として再出発します。事実この作品にはとある代表作に繋がるところがあると言います。いやーそれに巡り合うのが楽しみです!

 

 

本書は恋愛物語ですがウールリッチの手にかかればミュージカル的ハッピーエンドはあり得ず←、狂気と死に支配される愛の物語になります。このバーニスはカルメン的な「運命の女」。1人の女が1人の人間の人生を狂わせるところは後年のサスペンス・ミステリで本領発揮することになります。

 

 

最後がああなんですっごく判断に迷うところですが(もしくは書き方がすごく上手い)ここはシェイクスピア風に「殺したか殺さなかったか、それは問題では無い。大事なのは自分もバーニスのところに一刻も早く行くことだ」でしめたいと思います。

 

 

「マンハッタン・ラブソング」でした(・∀・)/

次は今、あちこちで超話題沸騰のあの作品!(*^o^*)/