4人は幸福と不幸の間で愛に揺蕩い、別れるーーー
◇夜の公園◇
川上弘美
「申し分のない」夫と、三十五年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない…。そんなとき、リリは夜の公園で九歳年下の青年に出会う―。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女四人の関係を、それぞれの視点が描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長篇小説。
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「夜の公園」です(・∀・)
川上弘美も17冊読みまして、だんだん文章に慣れて来ました。本書は「センセイの鞄」と同じ恋愛小説で一組の夫婦の恋愛ーーーそれも一般的には不義の恋愛ーーーを通して縁が出来た4人の話です。それぞれしていることは不倫なのに昼ドラ的なものは何も有りません。それはひとえに4人が現状維持を図り、何も変わろうとしないからです。なんというか無垢なものの恋愛なんですよね。……それでも嫌なものは嫌だけど。
最後、4人はそれぞれ相手に知らないことを抱えてばらばらに生きていきます。その時4人は初めて変わった。無垢なものでは無くなった。よくよく考えてみると他人は知らないことだらけなのにそれを実感するのには時間がかかるというのは矛盾していますが、面白い。
……こういう人の心の微妙さは推理小説にはあまり無いよね。それはそうだ。そんなのは求めてないから。だから私は推理小説を離れてしまったんだな、と実感してしまいました。
「夜の公園」でした(・∀・)/
女同士の不思議な集まりに参加した主婦の運命は!?(*^o^*)/