その女性の声は、依頼人の声と瓜二つだったーーー
◇アルファベット・ヒックス◇ -Alphabet Hicks-
レックス・スタウト 加藤由紀 訳
声……瓜二つの声……殺された女の声!?
元弁護士のタクシー運転手、アルファベット・ヒックス。偶然乗せた女の、産業スパイの濡れ衣を晴らして欲しいという依頼は殺人事件へと発展する。関係者とヒックスの関心は、ある会話が録音されたソノシートに絞られるが……。
〈ネロ・ウルフ〉シリーズで名高い大家スタウトの、隠れた名シリーズ登場。
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タクシー運転手のアルファベット・ヒックスは元弁護士。資格は剥奪されたけど頭脳は明晰なので探偵稼業もこなしている(警察とは相性が悪いが)。
ある日、ヒックスは女性客を乗せた。その女性ジュディス・ダンディはヒックスの名前を見ると彼に助けを求めた。
ジュディスの夫はプラスチック製造会社を経営しているのだが何故かジュディスがライバル会社にその製造秘密を売ったと言いがかりをつけるという。ヒックスはとりあえず依頼料を受け取って会社に乗り込むが上手く事は運ばない。
次はどうしたものか、と考えると何故かそばからジュディスの声が! 驚いたヒックスは思わず後をつけるがその女性はジュディスでは無かった。でも声がそっくりだ……しかも彼女はダンディの屋敷だか研究所に向かった。ヒックスはタクシーでその彼女を追いかけるが、彼女はまもなくダンディ屋敷で死体になって……ダンディが聞いたというソノシートの女性の声は、まさか?
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「アルファベット・ヒックス」です(・∀・)
スタウトはネロ・ウルフ以外にも探偵を生みましたが、今回の主人公アルファベット・ヒックスもその1人。変わった名前←のこの人は弁護士だったけど資格剥奪されてタクシー運転手になった、チョコレート好きの変わり者です。しかしやはり警察とは馬が合わない。まぁ警察と仲良い探偵なんかそういないか。金○一とコ○ンぐらい? いや、2人が稀有なのか!←
話も面白いです。産業スパイ容疑の根拠に録音された声、同じ声を持つ2人の女、それが録音されたソイシートの行方……と謎はふんだんに盛り込まれています。……でもさ、ソイシート壊さないと言うけど力込めれば折れそうだし、それ、本当にそこに隠せるの? だって結構大きいよね?
……そしていつもいつも思うけどどーしてスタウト作品の容疑者は万年反抗期な連中ばっかなんだろう←
タクシー運転手が探偵って結構良い役だと思うんですよ。タクシー運転手って色々な人乗せるから色々情報ゲットできるし、交通網にも詳しいからスピード感溢れる逮捕劇とか出来そうなのに……後者はともかくとして、タクシー運転手という強みを最初にしか活かせなかったところに、シリーズ化出来なかった理由がある気がします。はっきり言ってこれならただの探偵でも
良い。タクシー運転手というポジションが勿体無い。
やっぱウルフが最強ですね。そして我らがアーチーは最高です。
「アルファベット・ヒックス」でした(・∀・)/
次は「ウ、と言ったら〜?」(*^o^*)/