レイ・ブラッドベリ No.7◇10月はたそがれの国◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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不確かで説明など出来ないが確かに「それ」は私たちの目の前に有るーーーたそがれの国に潜む「夢魔」を垣間見よ。

 

 

 

 

 

◇10月はたそがれの国◇ -The Octorber Country-

レイ・ブラッドベリ 宇野利泰 訳

 

 

ポオの衣鉢をつぐ幻想文学の第一人者、SFの抒情詩人ブラッドベリの名声を確立した処女短編集「闇のカーニバル」全編に、新たに五つの新作を加えた珠玉の作品集。後期のSFファンタジーを中心とした短編とは異なり、ここには怪異と幻想と夢魔の世界がなまなましく息づいている。ジョー・マグナイニの挿絵十二枚を付す決定版。

 

 

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「10月はたそがれの国」です(・∀・)

 

 

久しぶりに短篇集ですが、SFファンタジーよりも幻想怪奇ファンタジーものが多い短篇集です。

ブラッドベリ、といえば幻想ファンタジー作家だと思っていたのですが、前期は「何かが道を〜」ポーのような幻想的で背筋が薄ら寒くなるような作品が多かったようです。ブラッドベリは10月に特別な意味を持っていたようです。

 

 

ああ、なんという美しくも残酷な物語たち!

推理小説の良いところはどんなに不可解な現象が起こってもきちんと謎解きをして理由を明らかにしてくれます。しかしブラッドベリのこの作品群には「どうしてそれが起こったか?」が明かされることは一切有りません。「骨」とか「熱気のうちで」、「小さな殺人者」「群衆」はサスペンス・ミステリーでもおかしくなかったのでその説明の無さが怖かったです。文章が美しいので余計に……あの曖昧でぼやかすところが良いんだよな〜。

 

 

ふとしたきっかけで非日常の世界=たそがれの国の扉を開けてしまうその瞬間を目撃してしまうところが良い。世界が急に変わって行く瞬間、振り返っても扉は閉ざされ、もう2度と戻れないことを約束される瞬間……普段私たちは世界が変わる瞬間など実感しませんから本でその擬似体験が出来るというのは良いものですね!

 

 

「10月はたそがれの国」でした(・∀・)/

次は遂に! 新しい作家の登場です!(*^o^*)/