彼の無実を、私が明らかにしてみせる! 「自由研究」という形で未解決事件を調査する女子高生の奮闘物語!
◇自由研究には向かない殺人◇ -A Good Girl's Guide to Murder-
ホリー・ジャクソン 服部京子 訳
イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。調査と推理で次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリ!
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リトル・キルトンという小さな町に住む17歳の女子高生ピップはケンブリッジ大学受験と並行して自分の好きな題材を独自研究する「自由研究」を行うことになった。ピップの狙いは英語、ジャーナリズム、調査報道、刑法を研究するという建前で「アンディ・ベル失踪事件」を調べ直すことだ。
2012年、同じ学校に通っていたアンディ・ベルが失踪し、ボーイフレンドのサル・シンが自殺したことから彼が犯人だと思われていたが昔、いじめられていたところを助けられたピップはサルが殺人犯だと思えないのだ。だから「自由研究」という名目で調べ直すのだ。
SNSを駆使してピップは限られた範囲で関係者からインタビューを取り、いつしかサルの弟、ラディも協力してくれるようになったがどんどん身近な人たちが容疑者として浮かんでくる……その上ピップの周囲を「自由研究」をよく思わない存在がうろつくようになり……
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「自由研究に向かない殺人」です(・∀・)
「このミス」を始めとする数々のランキングに入り、かなり気になっていた1作を、やっと読むことが出来ました。
題名からして突っ込みどころ満載だし、期待し過ぎると落差が酷くて失敗するからな〜と軽い気持ちで読みましたが全然そんなこと無かった。それどころかいきなり今年のベスト10に入りかねない勢いで良かった。
いかにも学生が事件の「調査」している!という限られた範囲と葛藤が有ってそれが良かったです。ほら、学生が探偵やるとすぐ捜査権もゲットしちゃうから← 学生を主人公にすることに説得力が有って良かった。ピップは少し真面目で堅いところが有るけど「公平性」を大事にする今時の女の子で友達と話す時の軽口がくすり、と笑える分後半は結構辛かったり……。゚(゚´Д`゚)゚。
過去の事件、それも解決された、とされている事件を再び捜査することは辛く、厄介なことです。SNSにアップしたものはパスワードをかけてもやり方さえ考えれば絶対に暴かれるし、今まで隠し通していたものが暴かれてしまう、というのはいつの時代も恐怖です。それが暴かれるのは推理小説の常だけど、それ以上にその錯綜した情報を公平な視点で見ること、沢山の情報から真実を見出すのは決して神様技では無い、普通の人間にも出来ると教えてくれます。
強いて言うなら、被害者?のアンディがまぁーそうだよなぁ。その手の女の子はそういう二面性持ちだよなぁ……と一時的に冷めたのですが彼女も一種の被害者なんだよな、と思ったり。しかしそこまでになるとなんの同情も出来ないけど……
高校生ピップはきっと本作が最後ですが、続編があと2作有る模様。いやー翻訳されるのが今から楽しみ!
「自由研究には向かない殺人」でした(・∀・)/
次は〜……すみません、まさか一気読みするとは思わなかったのでストックが無く……したがって何を読むか分かりません←えっ🤯