薬品混入問題に殺人事件! 快男児探偵のフォックスが思惑だらけのニューヨークを駆ける!
◇苦いオードブル◇ -Bad For Business-
レックス・スタウト 矢沢聖子 訳
老舗食品会社は揺れに揺れていた。看板商品である瓶詰オードブルへのキニーネ混入事件が続いたのだ。苦くて食べられない製品に、評判はがた落ち。しかもその騒動のさなか、今度は社長が殺される。第一発見者は、キニーネの件を調査していたエイミー。女性探偵ドル・ボナーの事務所で働く新人の彼女は、あまりの事態に動転し、偶然知り合ったテカムス・フォックスに助けを求めた。名探偵として鳴らすフォックスは、彼女を窮地から救うべく、ニューヨーク中を駆けまわる。巨匠スタウトが生んだもうひとりの名探偵、テカムス・フォックス颯爽登場。
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ドル・ボナー探偵事務所で働くエイミー・ダンカンの心中は重い。上司ドルの命令で伯父が経営するティングリー・ディットビッツ社の缶詰オードブルのキニーネ混入事件を調べていたが伯父はけんもほろろに彼女を拒否してエイミーも反発してしまう。
ふらふらに歩いていたところを車にぶつかり、それがきっかけで探偵テカムス・フォックスと知り合う。一目見てエイミーを好きになってしまったフォックスはエイミーにも秘密裏にティングリーのライバル会社の副社長と接触するドル・ボナーと接触し、自ら工場に乗り込み、キニーネ混入事件を調査することに。
数日後、エイミーは伯父から内密らしい電話を受け、急ぎ会社に向かう。ところがそこにあったのは伯父の死体だった! パニックで支離滅裂になったエイミーはフォックスに助けを求める。エイミーも容疑者の1人になると判断したフォックスは殺人事件の調査も行うことに……
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「苦いオードブル」です(・∀・)
こちらと同じくノー・ネロ・ウルフ作品です。ただし主人公はテカムス・フォックスという快男児風探偵です。……え、アーチーじゃ駄目だったの??と思った私はきっと酷い読者← いやだってアーチーと似てるし。これ、ネロ・ウルフが引き受けたらどうなっていたことやら。
そもそもドルが出るならドルが主人公でも良いじゃんとも思っていた人間なので← ただしこちらはドルを主人公に出来ないれっきとした理由が有るから良いのですが……いや、これもドル視点から書いた方も面白かったかもしれない。
主人公にケチばかりつけてしまいましたが話はかなり混み合っていてよくできています。企業ミステリーとも言えるし、「ティングリー家の一族」よろしく複雑な家庭環境も無視出来ない重厚さが有ります。どこもかしこも名家はめんどくさいな← 下手したらエイミーも巻き込まれた可能性有りましたが、お母さんがしっかりした人だったのが救いです←
「苦いオードブル」でした(・∀・)/
織田作はスタンダールを読んで小説家を目指した。けれどもう1人の織田作は……