神話の女たちと高校生たちの時間は魔術幻惑的な香りが漂うーーー
◇変身のためのオピウム・球形時間◇
多和田葉子
ローマ神話の名を持つ女達と“わたし”のおかしな物語。二十二の断章が織りなす魔術的な言葉の積み重なりが、深い陶酔感へと誘う散文の精華「変身のためのオピウム」。女子高生サヤは喫茶店ドジンで時を超えて旅をつづける英国人イザベラ・バードに出会う。見慣れた風景が反転し、少年少女が非日常へと飛翔する「球形時間」(ドゥマゴ賞)。強靭な知性と創造力で緻密に練り上げられた傑作二篇。
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1.変身のためのオピウム
2.球形時間
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*オピウム……阿片。
「変身のためのオピウム・球形時間」です(・∀・)
久しぶりの多和田葉子です。今回はローマ神話を連想させる女たち22人と高校生という神と人間、聖と俗という両極端の存在が登場します。
1はローマ神話の女たちが現代社会のドイツで生活を営んだらどうなるか、というパラレルものです。しかし言葉の1つ1つを抽出しては別のものにしてしまう彼女にかかれば彼女たちの生活が普通で無いことが分かります。眠り、音楽、嫉妬、憧れ、羽根……ローマ神話を読んでから彼女たちの物語を読むと彼女たちに纏わりつくオピウムの正体がより分かると思います。
2は打って変わって高校生が人と出会うことで非日常に入り込む時間と幻惑の物語。女子高生サヤは旅する不思議な女性と、男子高生カツオは大学生らしい?コンドウと出逢うことでお互いが導かれ、幻惑されていきます。青春というのは惑わされることを許される時間なのかも知れない。
「変身のためのオピウム・球形時間」でした(・∀・)/
次は本当におーひーさーのレームー氏〜 (*^o^*)/