フレドリック・ブラウン◇さあ、気ちがいになりなさい◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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SFとミステリー、両方楽しもう!

 

 

 

 

 

◇さあ、気ちがいになりなさい◇ -Come and Go Mad and Other Stories-

フレドリック・ブラウン 星新一 訳

 

 

記憶喪失のふりをしていた男の意外な正体と驚異の顛末が衝撃的な表題作、遠い惑星に不時着した宇宙飛行士の真の望みを描く「みどりの星へ」、手品ショーで出会った少年と悪魔の身に起こる奇跡が世界を救う「おそるべき坊や」、ある事件を境に激変した世界の風景が静かな余韻を残す「電獣ヴァヴェリ」など、意外性と洒脱なオチを追求した奇想短篇の名手による傑作12篇を、ショートショートの神様・星新一の軽妙な訳で贈る。

 

 

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1.みどりの星へ

 (Something Green)

 ……宇宙飛行士マックガリーは紫と赤しかない惑星に不時着し、地球の緑色を懐かしがっていた。長い間、マックガリーはドロシーという5本足の生物に地球とそこに溢れる緑の美しさを語り聞かせるが……

 

 

2.ぶっそうな奴ら

 (The Dangerous People)

 ……精神病院から異常な患者が脱走した合図であるサインを聞いたベルフォンティーン氏は帰りの汽車で背の高い男と一緒になる。が、ベルフォンティーン氏は背の高い男が脱走した異常者なのではないかと疑心暗鬼に駆られる。それは相手の方も同じで……

 

 

3.おそるべき坊や

 (Armageddon)

 ……家族と奇術ショーを見に来たハービー坊や。ハービー坊やは舞台に上がるが、その奇術師はなんと封じられた邪悪なガーバー大王だったのだ!

 

 

4.電獣ヴァヴェリ

 (The Waveries)

 ……いつしかラジオが電波妨害されるようになった。それは人間ではなく、獅子座ーーー太陽系外生物からの呼びかけらしい。やがてその生物は稲妻をはじめとする電化製品すべてを乗っ取ろうと手を伸ばし始める。人間は電気を捨てる生活に戻りつつあった……

 

 

5.ノック

 (Knock)

 ……「地球上で最後に残った男が、ただひとり部屋のなかに座っていた。すると、ドアにノックの音が……」果たしてドアをノックしたのは?

 

 

6.ユーディの原理

 (The Yehudi Principle)

 ……私は頭がおかしくなりかかっている。チャーリー・スワンは恐らくわたしよりも酷い。何しろ彼は自動制御自己暗示式副振動性超加速装置ならぬ「ユーディの原理」の発明者なのだから……

 

 

7.シリウス・ゼロ

 (Nothing Sirius)

 ……シリウス系惑星を航行中のわたしたちはあるのはずのない、新しい惑星を見つける。降り立ってみると早速人間みたいに蝶ネクタイや帽子を身につけたダチョウなる生き物がいた。わたしはその惑星に「シリウス・ゼロ」という名前を与え、探検を続けるが……

 

 

8.町を求む

 (A Town Wanted)

 ……「完全犯罪大百科・下」参照。

 

 

 

9.帽子の手品

 (The Hat Trick)

 ……仲の良い男女4人は怪奇映画を観た後、スタジオで飲み直すことにした。そこでボブがトランプ手品を披露したがウォルターが種明かしをしてしまう。ボブを怒らせたウォルターは代わりに帽子手品を披露することにしたが、帽子から出て来たのは……

 

 

10.不死鳥への手紙

    (Letter to a Phoenix)

    ……18万年生きて、4000回の人生を繰り返したわたしが言う「宇宙におけるただ1つの不死の生物体」とは?

 

 

11.沈黙と叫び

    (Cry Sillence)

    ……森の奥のような、聞いているものが1人もいない所で木が倒れた場合、音がしたことになるだろうか? わたしはわたしの言葉を無視した背の高い男は耳が悪いのかと聞いた。駅長は答えた。あの男はビル・マイヤーズ、人殺しで「耳が聞こえなくなった」……

 

 

12.さあ、気ちがいになりなさい

    (Come and Go Mad)

    ……新聞記者のジョージ・バインは編集長キャンドラーの命令でナポレオン妄想患者として精神病院に潜入することになった。しかし彼にとってナポレオンは妄想ではなかった。実は彼は本当にあのナポレオンなのだ。それを悟られない為に記憶喪失のふりをしていたのだ……

 

 

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「さあ、気ちがいになりなさい」です(・∀・)

父から借りたのですが、カバーを見て「え、この人SF作家だったっけ?」と絶句しました。調べるとフレドリック・ブラウンはどちらの分野でも傑作を起こしています。本ブログではSFだと「星ねずみの冒険」が、ミステリーでは「後ろを見るな」があります。

 

 

というか翻訳、星新一なんですね! あれ、英語すごく苦手だったんじゃなかったっけ……? でも海外SF、面白いですし、ブラウンは短編作家の雄だし、読めないって損だらけですからね……作家の人が翻訳するとまるでその人の作品を読んでいる気分になるのは私だけでしょうか……?

 

 

表題作の12はSFもの。主人公の超意外な正体が主人公を窮地に追いやります。1.5.7.10もSFもので皮肉な笑みが溢れるものから背筋が寒くなるようなものまで様々な味です。4と6と9はあなたの隣は異星生物?もの。4はなんかレム氏でありそうな作品だ……こんな風に順応しないけど。

 

 

ミステリーは少なく2.8.11の3編だけ。8はダントツに怖い!! 見殺しにする系の中では1番の怖さです。

 

 

「さあ、気ちがいになりなさい」でした(・∀・)/ 

次はお久なレム氏です(*^o^*)/