スタニスワフ・レム No.13◇天の声・枯草熱◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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地球外からの「天の声」は何を語る?

 
 
 
◇天の声・枯草熱◇ -Głos Pana, Kater-
スタニスワフ・レム 沼野充義・深見弾 訳
 
 

偶然捉えられた地球外からの信号を解読するために一流科学者たちのチームが結成された。しかし、信号のわずかな部分の情報からコロイド状の物質はつくり出すものの、事実を解明できぬまま、やがて計画全体が政治家の思惑に翻弄されていく…。大物数学者の遺稿というスタイルで人間の認識の限界をもあぶりだす長篇『天の声』と、ナポリで起きた中年男の連続怪死事件をめぐって、捜査の依頼を受けた「枯草熱」(花粉症のようなアレルギー)の元宇宙飛行士が、男たちの足跡をたどるうちに自ら予想外の出来事に巻き込まれていく確率論的ミステリをカップリング。かつてサンリオSF文庫に収録された後期レムを代表する二つの長篇をまとめて復刊。

 

 

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1.天の声

 (Głos Pana)

 ……地球の外から謎の信号が送られて来たしかしニュートリノによって送られて来たこと以外は何も分からない。数学者ホガースらは《マスター・ヴォイス》計画に参加し、その《天の声》の解析を行うが……

 

 

2.枯草熱

 (Kater)

 ……ナポリに硫黄泉の湯治に出かけた中年の男が次々と怪死変死する事件が発生した。元宇宙飛行士のわたしは警察や科学者らと一緒に事件を捜査するが、彼もやがて……

 

 

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「天の声・枯草熱」です(・∀・)

長編と中編の1作ずつ収録です。……はっきり言ってこの長さなら分けてくれ。めちゃくちゃ読むの大変だったんだからな……orz

 

 

いやはや、ものすごく難しい。

1は「ソラリス」同様「人間の理解と認識を超えた存在との邂逅」もの。今回はニュートリノで「蛙の卵」「蝿の王」と名付けられる物質を送りつけて来た謎の地球外存在。目的は分からない、信号の暗号も分からない、というか送ってきた存在自体がそもそももう亡いのでは………? という紆余曲折と挫折の物語です。一言で言うのは簡単ですが、言葉の選び方や話の進み方が難解でまるで専門書や学術書を読まされている気分……一応これ、小説。小説だよね!?

 

 

「ソラリス」と比べてしまうと物語的な面白さは無いのでSF小説初心者や苦手意識のある人は結構辛いです。アシモフやクラークという物語も面白い人の作品を、それも沢山読んで場数を踏むことをお勧めします……
 
 
2は「捜査」と同じようなSF風ミステリー。ナポリで起こる不審な怪死変死狂死事件にアメリカの元宇宙飛行士が挑みます。
……レム初!?地球外知性体が出て来ない作品です。普通のミステリーにもありそうな真相だった……お陰でなんか肩透かしをくらった気分ですが←、2つの物質が組み合わさって化学反応……ってなんか今の世界にもあるような……レムで現実的な怖さをするこもになるとは……
 
 
「天の声・枯草熱」でした(・∀・)/
次は「空に浮かんだ青サバのような顔をしやがって!」「なめくじみたいにてらてらしてとても付き合えたものじゃない!」太宰治と彼を取り巻く文豪たちの生き様をとくとご覧あれ!(*^o^*)/