七月隆文◇ぼくは明日、昨日の君とデートする◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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一目惚れした女の子が持っていた、ある大きな秘密とはーーー

 
 

 
◇ぼくは明日、昨日の君とデートする◇
七月隆文
 
 
京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。 
高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。 気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて──。 「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘くせつない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。
 
 
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一目惚れだった。大学に行くまでの電車の中で出会ったその子は可愛い女の子でぼくこと高寿は柄にもなく一目惚れしたと声をかけてしまう。そして其処からとんとん拍子で付き合うことになった。
 
 
気配り上手で寂しがり屋で泣き虫な彼女ーーー福寿愛美と一緒にいることは本当に楽しかった。けれど時々微かな違和感が生じる。そしてそれは愛美が落としたメモ帳を見て頂点に達した。彼女は未来が見える? いいえ、そうではない。彼女はとなりの世界の人間で、彼女にとって時間とは『未来から過去へ』と高寿とは逆行していくものだっだ。一緒に過ごすごとにどんどん2人の距離が広くなっていく。最後の日ーーー40日後の5月23日に向かって。
 
 
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「ぼくは明日、昨日の君とデートする」です(・∀・)
 
 
いつもとは系統が全然違うのでお気づきかと思いますが、人から勧められて読んだものです。web上で仲良くして頂いている方なのですが、その人がもう何回も読み返しているというので食指が動きました。はい。
 
 
本書のことは当時チラッと聞いたっきりでなんの興味も無かったのですが(そもそもこの手の話は好きでは無い。その方が居なかったら永遠に読んでいなかった)、「君の名は」に近いような話だなと思いました。入れ替わっていないけど彼方も2人の時間の流れの居場所がは違くって。……しかし本書の方が切なくて残酷です。
 
 
恋人というのは本来隣に在って、同じ時間を過ごして同じ時間の流れを生きている存在じゃないですか。運命の恋人なら尚更。しかし高寿と愛美の場合はそうではない。次第にそれに気がついて、それに苦しんで、でもどうすることもできないのが本当に悲しい。恋人たちの結末がこれで良いのかよー……って感じで、単なる破局や死による別れとは違う、世界の真理に振り回される不条理さが有ります。
 
 
人を愛すること、誰かを切実に思うこと。それはとても崇高で、時には人生を変えます。
 
 
……しかし現代小説にありがちな改行だらけの短い文。他に書きたいこととかないのかな……というか足りなくないか?  もっと他に伝えたいところとかあるんじゃないの? と勘ぐってしまいます……
 
 
「ぼくは明日、昨日の君とデートする」でした(・∀・)/
次はーーー遂に!! 読書の輪が通常コースに戻ります!!(*^o^*)/