パパの秘書が失踪して、謎めいた出生をたどる旅が始まった……
◇ペスト記念柱◇ -Plague Column-
ロッテ・イングリッシュ 城田千鶴子 訳
突如姿を消した親友ファニーの行方を追う女子大生のフローは、失踪の謎を探るうち、身辺で錯綜する人間心理の迷宮にまよい込む。私は一体、誰? 心理学の街ウィーンのサイコミステリー。ウィーンガイドマップ付き。
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ファニーが失踪した。私、フローラリント・レルナーのパパの秘書の彼女が、女優志望の彼女が、私そっくりの彼女が〈ペスト記念柱〉に赤いケープを残して。私はファニーの兄弟のミヒャエルに会いに行くが、彼も何も知らない。
ファニーが失踪して2日後、パパと『ホテル・ザッハー』に連れて行かれた後、私はファニーになった。失踪したのはフローラリントであり、ファニーはここにいる! その直後からファニー=フローラリントは命を狙われるようになり、極め付けはパパがファニーを襲われ、姿を消した。それをきっかけに私、フローラリントは気がついた。ファニーのことを実は何も知らなかったこと、下手したら自分のことも何も知らないのでは無いかということを……
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「ペスト記念柱」です(・∀・) ペストでは無く、1679年の大流行時を弔う為に建てられた記念碑のことでした。恥ずかしっ! またウィーンのど真ん中にある上にかなり目立つ大きな彫刻なのでウィーンに旅行したことある人は絶対に目にしていると思います。ちなみに私はそれと気づかずに通り過ぎていました←
さて、現代ウィーン・ミステリ第2弾。前回と打って超サスペンス。しまいには「私は一体何者なのか?」に繋がります。なんかウールリッチとかアイリッシュにもありそうなテーマ……読んでいて独特な文体も相まって誰が何者なのか、誰が真実を語っているのか、誰が黒幕なのか、分からなくなります。
あと本書は前回と打って変わってウィーン市内を走り回るので地図が付録して付いています。これを見ながらウィーン裏観光も悪くはない!?←
「ペスト記念柱」でした(・∀・)/
次は如何にも事件な物語!(*^o^*)/