世界への愛、一人の女性への愛が詩になる。
◇62のソネット+36◇ -62 Sonnets+36-
谷川俊太郎 W.I.エリオット・川村和夫 訳
世界への愛がひとりの女性への愛と化合する。その私的で詩的な記録―。22歳で発表された生と愛への讃歌が、半世紀の時を超えて日英の二カ国語版で文庫に。36篇の未発表詩を新たに収録した、新版にして決定版。
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Here are the songs of a Japanese troubadour in love withーーーlife.
ーーー裏表紙より
「62のソネット+36」です(・∀・)
本ブログ初の詩集です。全作が重苦しかったので安らかに読めるものを探してこれです。
私は合唱団に入っているので時々詩を歌います。時々良い詩に巡り合うこともあって中でもヘルマン・ヘッセや「唇に歌を持て、心に太陽を持て」と山本有三が訳したフライシュレンの詩を「良い詩だな〜」と思いながら歌っていました。一番好きなのは小説ですが、今年は詩集を読み始めるのも良いな。
谷川俊太郎って教科書でも歌でも沢山読んでいるのでおそらく一番馴染みの深い詩人なんですが、きちんと詩集を1冊読んだのは今回が初めてという情けない低落です←
人間の存在や命を昼、夜、世界に取り込み尊敬を持ち、弱さと小ささを肯定することの優しさよ。鋭い観察を哲学めいて語る詩は英訳と相まってさまざまな広がりを見せてくれます。この詩集を読むと昼と夜の広い世界の地球を連想させます。本書は後ろに英訳がついていて交互に読むと大変勉強になります。中高生レベルで分かる英単語も有れば1級並の難単語もあったりして面白かったです。詩集は小説よりも文が長くないので詩集で多言語を勉強するのも1つの手だと思います。
最後に気に入った一編を……
さながら風が木の葉をそよがすように
世界がわたしの心を波立たせる
時に悲しみと云い時に喜びと云いながらも
私の心は正しく名付けられない
休みなく動きながら世界はひろがっている
私はいつも世界に追いつけず
夕暮れや雨や巻雲の中に
自らの心を探し続ける
だが時折私も世界に叶う
風に陽差に四季のめぐりに
私は身をゆだねるーー
ーー私は世界になる
そして愛のために歌を失う
だが 私は悔いない
「62のソネット+36」でした(・∀・)/
次はカリの新職場!?に迫ります!(*^o^*)/