「魔の山」の療養所でカストルプ青年は人間が出逢い、去り、別れる様相を目の当たりにするーーー
◇魔の山・下◇ -Der Zauberberg-
トーマス・マン 高橋義孝 訳
カストルプ青年は、日常世界から隔離され病気と死に支配された“魔の山”の療養所で、精神と本能的生命、秩序と混沌、合理と非合理などの対立する諸相を経験し、やがて“愛と善意”のヒューマニズムを予感しながら第一次大戦に参戦してゆく。思想・哲学・宗教・政治などを論じ、人間存在の根源を追究した「魔の山」は「ファウスト」「ツァラトストラ」と並ぶ二十世紀文学屈指の名作である。
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ショーシャ夫人と別れたカストルプ青年は続いてヨーアヒム青年、セテムブリーニ氏が"魔の山"を出ていくのを見送ることになる。やがてセテムブリーム氏繋がりでナフタという男に出会うが、神によるテロリズムを奨励する彼とセテムブリーニ氏は相容れなかった。
一方、低地で軍隊生活をおくっていたヨーアヒムだったが、また戻って来る。その時彼は喉の癌に冒され、もう余命は幾ばくも無かった……ヨーアヒムの死と立ち代るようにショーシャがオランダ人のペーペルコルン氏と一緒に帰って来た。カストルプ青年はそれに落ち着きを無くすが……
次々と見知った顔はいなくなり、新しい顔や現象が登場する。そしてあの激震が起こるーーー!
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「魔の山・下」です(・∀・)
読破に6日かかりました……これ、もう1回読むの無理……ものすっごく疲れましたorz……こんなの読んでいるドイツって……誰にも勝てんよぉ!
こんなにしんどかったのは『白鯨』や『罪と罰』以来でしたが、この2作はまだ「人間」や「世界」や「神」を論じる傍ら、まだ物語を楽しめる余地がありましたが、今回それはほとんど無い! それが結構しんどかったです……それでもショーシャ夫人と別れたり、ヨーアヒム青年と永訣したり、不思議なライバルペーペルコルン氏とのある種同志!?な関わりあいもあったのでまだマシ……かな。
本書の後書きで「本書の山場は何処だ」問題が論じられ、カストルプ青年がスキーで遭難する場面が挙げられていました。私はこのペーペルコルン氏のある種「完璧な自殺」か根本的に合わないセテムブリーニ氏とナフタの決闘のどちらかで終わらせて、降霊術ブームの場面は全部無しで良かったと思うのですが、どう思いますか? ちなみに意外に大事だと思ったのがカストルプ青年が蓄音機かけまくる場面です。この時彼は非常に深い精神に入り込んでいます。
……いや、しかしもうこのブログ書くだけで疲れた……
「魔の山・下」でした(・∀・)/
次は久しぶり! の! ミステリー!(*^o^*)/