ジュール・ヴェルヌ No.37◇世界の支配者◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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陸を、海を物凄い速さで駆けるその正体とは!?

 
 
 
 
◇世界の支配者◇ -Maitre Du Monde-
ジュール・ヴェルヌ 榊原晃三 訳
 
 
高速で移動する未確認物体が、北米大陸各地で目撃された。ペンシルヴェニアの路上、ボストンの沖合、カンザスの湖底─ミルウォーキーでの自動車レースに出現したその物体は並み居る高性能車をごぼう抜きにしてミシガン湖へ消えた。アメリカ政府はその技術を数千ドルで買い取ると広告するが、届いた拒否の返答には”世界の支配者”の署名が……ヴェルヌ晩年の異色作、本邦初訳で登場。
 
 
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アレゲニー山脈とアパラチア山脈にあるグレート・エアリー山は登山客を近づけさせない謎の多い山だが、その山でなぞの火花が上がり、度重なる地震が発生し、謎の振動音が聞こえた。その謎にワシントン警察のストロックがその捜査に赴くが、あまりの難航さに捜査を断念せざるを得なくなった。
 
 
グレート・エアリー山の椿事はしばらくすると収まり、ある日自動車レースが開催された。それは大いに盛り上がりを見せたが、その自動車レースに謎の物体が現れ、どの車よりも速いスピードで消えていってしまった。
 
 
それからというものの、アメリカの各地で物凄い速さで疾走する謎の物体は目撃された。政府はこの技術を買い取ろうとするが、その運転手ーーーキャプテンはこれを拒否。その署名にあるのはーーー『世界の支配者』!
 
 
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「世界の支配者」です(・∀・)
 
 
陸、海を物凄い速さで疾走するする謎の物体とアメリカ警察署ストロックの奮闘の話です。ヴェルヌ作品で主人公が警官って珍しいんですが、舞台がアメリカという文明国なのでこうなったのかな。
 
 
実はこれはある作品の続編です。題名はあえて伏せますが、もし飛んでみて「あ、これ読んで無いわ」となりましたら名前だけ記憶して閉じることをお勧めします。そちらを読んでから本書を読んだ方が断然面白いです。
 
 
この黒幕たる男はある意味人間とは一線を課した存在なので結末もイカロスみたいに驕りによって死んだか、それとも生き延びて何処かを疾走しているのかどうか分かりません。前者なら大砲クラブみたいですし、後者なら物語の最後の言葉はある意味正しいのかもしれません。しかし最近のヴェルヌはなんか辛辣ですね。
 
 
「世界の支配者」でした(・∀・)/  
メグレにとって忘れられない事件とは……?