ジュール・ヴェルヌ No.27◇征服者ロビュール◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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空を征服したという男の言うことは壮大な嘘か、妄想か!?

 
 
 
 
◇征服者ロビュール◇ -Robur Le Conquerant-
ジュール・ヴェルヌ 手塚伸一 訳   
 
 
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高空から降り注ぐ最後の審判のラッパのような音。そして各地の尖塔の頂きにくくりつけられた旗。世界中にまきおこったこの怪現象に各国は騒然とする。その頃フィラデルフィアの気球愛好家の集会に現れた男はロビュールと名乗り、自分は大空を征服したと宣言した……飛行戦艦〈あほうどり号〉での自由奔放な空の旅がいま始まる。人類の夢、飛ぶことへの憧れをのせてヴェルヌが描く空中の冒険。
 
 
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フィラデルフィア。気球愛好家のウェルドン協会は白熱していた。気球の前にプロペラを前につける派フィル・エヴァンズと後ろにつける派アンクル・プルーデントが連日会議で対立していたのだ。
 
 
その空気を打ち破ったのはその会員ではない謎の男。名前はロビュール。ロビュールは気球に未来はないと断言した上で飛行機にこそ未来の乗り物である、そしてそれで自分は空を征服したと言い出した! 男はその直後謎の姿くらましをするが、エヴァンズとプルーデントも謎の失踪を遂げた。
 
 
それもそのはず、二人はその謎のロビュールに誘拐され、巨大な飛行戦艦〈あほうどり号〉にいたのだ! はるか上空を飛ぶこのあほうどりが謎の終末トランペットを鳴らし、数々の塔に小さな旗をたてるという不可解現象を引き起こしていたのだ! 閉じ込められたエヴァンズとプルーデントは抵抗の末、ダイナマイトで木っ端微塵にしようと考えるが……
 
 
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「征服者ロビュール」です(・∀・)
「空気よりも重い」もの前後プロペラ付き飛行戦艦乗りロビュールの物語です。この謎の男の荒唐無稽で謎だらけの冒険が、「空気よりも軽い」派エヴァンズとプルーデントの視点から語られます。
 
 
素性の分からない、下界との交流を嫌う、高度な技術力……読んでいてネモ船長みたいだと思ったのですが、読んでいて次第にしう思えなくなること、それどころか今までのヴェルヌ作品のどんな主人公とも違うことが分かります。
 
 
私の考えが正しければロビュールの素性はからなくて当然なのです。ロビュールはある意味この世の人間ではないからです。また語り手たちの結末もヴェルヌ作品至上の苦さです。ヴェルヌ作品の語り手たちは今までみんなハッピーエンドだったのに!
 
 
「征服者ロビュール」でした(・∀・)/
裁判で明かされる意外な真実とは……(*^o^*)/