ジュール・ヴェルヌ No.26.5◇アドリア海の復讐・下◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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死の淵から生還し、別人になったサンドルフ伯爵の復讐が始まる!

 
 
 
◇アドリア海の復讐・下◇ -Mathias Sandorf-
ジュール・ヴェルヌ 金子博 訳
 
 
豪華ヨットに乗り、どこの国にも縛られず病人を看る、地中海諸国では知らぬ者とてない名医アンテキルト博士。これこそ復讐の鬼となったサンドルフ伯爵の仮の姿であった。シチリア、ジブラルタル、アルジェリア─仇敵を追い求めての旅もついに大団円を迎える。彼の本拠地である理想郷アンテキルタ島に迫る海賊の軍団。めざす裏切り者はその中にいる……波瀾万丈の一大ロマン、ここに完結!
 
 
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謎多き名医師アンテキルト博士ーーーそれは15年前、海の藻屑と消えてしまい、東洋の彼方此方を彷徨って名声と財産と催眠術を手に入れたサンドルフ伯爵だった! 彼の手で瀕死の状態から蘇ったピエール・バートリは数多の恐ろしい真実を明かされる。自分の父親が密告された上で殺されたことも愛したサヴァが親の仇の娘であることも……
 
 
サンドルフ伯爵、ピエール、そして元旅芸人とんがりペスカートと大山マティフーの一行は船でシチリア、ジブラルタルに向かい、そこでかつて自分を助けてくれたフェラートの遺児と邂逅する。心強い味方は増えていくが、一向にサカトニーもトロンタルもカルペナも見つからず、バートリ夫人の行方も分からない。そして1通の手紙が……バートリ夫人と再会した時、サンドルフ伯爵にとってもピエールにとっても衝撃の事実が明かされる!
 
 
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「アドリア海の復讐・下」です(・∀・)
……やっぱり表紙は詐欺な気がする。見事な結晶体に空飛ぶ異星生命体って……注! この話は宇宙SFではありません。海洋冒険です。
 
 
閑話休題。
 
 
イェーイ! ついに真打ち登場! 別人になって伯爵が帰ってきました! 東洋の国で医師の勉強はともかくとしてポーンと財産が転がってくるところはヴェルヌっぽいと思ったり。
というかほとんど後半はああ〜、ヴェルヌっぽいなぁってとこばっかです。デュマ読んだことないけど← サヴァの出生の秘密とか裏切り者三人の処刑方法とか最終決戦の対海賊戦の短さとか← サヴァの秘密はえ!? いきなりって感じでしたが← トロンタルに父親らしいところを感じず、サヴァの出現に戸惑った時点で伏線は張られていたのですね……
 
 
ヴェルヌの主人公の周りって性根が善人で機転も頭も回る出来杉君ですが、今回もそう。その中でもとんがりペスカートと大山マティフーのコンビが最高。この2人が離れる時は不安になりますが、離れていてもコンビネーションは生きているのと普段の2人の会話が軽妙で聞いていて癒しです。ヴェルヌの話って基本あまり暗くないけど、ほらこの話、「巌窟王」のオマージュだし、なんか暗くて陰湿なとこあるし……
 
 
「アドリア海の復讐・下」でした(・∀・)/
次はメグレ、首無し死体に挑む!?(*^o^*)/