平野啓一郎 No.3◇高瀬川◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

人間の記憶を、行動を、心理を美しくも新しい技法で……

 
 
 
◇高瀬川◇ -Takasegawa-
平野啓一郎
 
 
小説家と女性誌編集者が過ごす、京都の一夜を繊細な心理主義的方法で描き、現代の「性」を見つめる「高瀬川」。亡くした実母の面影を慕う少年と不倫を続ける女性の人生が並列して進行し、やがて1つに交錯する「氷塊」。記憶と現実の世界の間(あわい)をたゆたう「清水」など、斬新で、美しい技法を駆使した短編4作。 
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
1.清水
 
 
2.高瀬舟
 
 
3.追憶
 
 
4.氷塊
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
「高瀬川」です(・∀・)
 
 
平野啓一郎3作目。初の短編集です。
実は収録作品は4作とかなり少ないのですが、あえて粗筋を載せませんでした。なぜってそんなことをしたら作者が此処で試した新しい技法に驚けないからです。そして何も知らない方が美しく読めるからです。
 
 
3と4はページを開いて一発で分かる通り非常に斬新な試みで書かれています。とくに4はそうしたい理由がちゃんとあります。読むにつれて同じ軸にはまる瞬間に身震いします。3は「何か」の追憶を雨のように、美しい言葉で描いた作品です。すごく詩的なのでこれで歌曲作れます。
 
 
 
1と2は純文学で平野啓一郎らしいあらゆる側面からの心理の掘り下げがあり、読み応え十分。2の由美子のトラウマと嫌悪感は私にも分かる気がします。しかしこんなのが流れて目撃した人はどう思うだろうか……
 
 
「高瀬川」でした(・∀・)/  
次はやっと! やっと通常の読書の輪に戻れます! メグレ警視、事件です!(*^o^*)/