ジュール・ヴェルヌ No.25◇永遠のアダム・エーゲ海燃ゆ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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人間は、万物は、永遠に《何らかの》繰り返しであるーーー

トルコからの独立に喘ぐギリシャの愛の海洋冒険!
 
 
 
◇永遠のアダム・エーゲ海燃ゆ◇ -L'Eternel Adam, L'archipel En Feu-
ジュール・ヴェルヌ 江口清・佐藤功 訳
 
 
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1.永遠のアダム
  (L'Eternel Adam)
  ……ハルス=イテン=シュー、すなわち〈四つの海の帝国〉の学者ゾフルはマハルト=イテン=シュー前時代からの故国の歴史、人類の歴史を調べていた。ゾフルたちの先祖は2万年以前の段階でかなり高度な文明を持っていたことが分かっているが……そんなある日ゾフルは散歩の途中で金属の箱を見つける。そこには日記らしいものが……
 
 
2.エーゲ海燃ゆ
  (L'archipel En Feu)
  ……トルコからの独立を目指すギリシャ。その周りの海では海賊が横行し、トルコへの人買いが行われていた。フランス士官アンリ・ダルバレはギリシャの銀行頭取の娘ハジーヌと結婚することになっていたが、彼女は父親が人買い海賊に協力していたことを知り、彼を拒絶する。不思議な縁の巡り合わせでダルバレは船長になって海賊にして恋敵ニコラス・スタルコスと対決する!
 
 
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「永遠のアダム・エーゲ海燃ゆ」です(・∀・)
 
 
中編2作の本書ですが話の系統は全然違く(そうじゃなかったら面白くないですが)、前者はウェルズっぽいディストピアもの、後者はヴェルヌっぽい恋と波瀾万丈の海洋冒険です。
 
 
1は滅んだ文明が今、自分たちが生きている文明よりも遥かに高度だと判明する話。日記の彼らもゾフルらも前々の時代と同じような運命をたどり、アダムのように永遠に世界を彷徨って、姿形は違えど生きなければならないということに戦慄する話です。ここまで行くと「生きる」も罪科の1つですね……
 
 
2はヴェルヌ式王道の海洋冒険! こっちの方がヴェルヌっぽい← しかし未知の大陸にいくわけではないので『驚異の旅』シリーズではないのですが。読んでいて宝塚っぽい題名と演目ですが、最初悪役が出張っていたのでピカレスクロマンだと思ってました。ハジーヌ、マジですみません。また伝説的海賊サクラティフとかスタルコスの母で独立運動の女傑アンドロニカとか脇役も面白かったのですが、アンドロニカを主人公に書いても面白かったと思います。今までにいないタイプのヒロインになりそうだから。
 
 
「永遠のアダム・エーゲ海に燃ゆ」でした(・∀・)/
次はメグレ、パリの大捕物劇!?(*^o^*)/