ジョルジュ・シムノン No.52◇メグレと殺人者たち◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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メグレに助けを求める「ニーヌの夫」……パリ大捕物劇!

 
 

 
◇メグレと殺人者たち◇ -Maigret et son mort-
ジョルジュ・シムノン 長島良三 訳
 
 
メグレ警視のところに、見知らぬ男から電話がかかってくる。数人の男からつけ狙われ、生命が危いと告げ、助けを要請する。メグレは男の告げた場所に刑事を派遣するが、彼はすでに立ち去ったあとであった。深夜、電話の主とおぼしき男の死体がコンコルド広場で発見される……。死体の見許割出しから犯人逮捕まで、推理とサスペンスをリアルな筆致で描く最高傑作。 
 
 
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普段どおり、仕事をこなすメグレのところに助けを求める電話がかかってきた。自分はメグレの知る「ニーヌ」の夫で尾行されている、殺される、助けてほしいと訴える……メグレは引っかかるところを感じて部下をその男が告げた《ボージョレーの酒倉》というカフェに向かわせるが、既に男はおらず、代わりに何度も電話をかけてきては伝言を言付ける……
 
 
その「ニーヌの夫」ーーーレインコートの男は夜中にコンコルド広場で刺殺体で見つかった。解剖に徹夜で付き合い、メグレが知ると思しきニーヌの行方も分からない……男の素性はアルベール・ロシャンと分かる。男の背後には東欧の犯罪者たちの影がちらつく……
 
 
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「メグレと殺人者たち」です(・∀・)
 
 
メグレ復活〜……というか引退してたんだよね!? 物凄く自然にパリ市警に溶け込んでるんですが!? 今まで休暇暮らししていたのを知っているとびっくりするぐらい、引退した事実が見えない……いや、引退していたことぐらい話題にしようや、ついていけないだろ……まさか時系列的にはかなり初期の話とか!?
 
 
さて。今更ですが、メグレ作品は家庭といったある種の狭いコミュニティで起こる犯罪と、国際的犯罪者集団とかある意味プロの犯罪者の大捕り物劇と別れますが、本書は後者。アルベール・ロシャン殺人の真相の裏に残虐な強盗団の影が見え隠れします。読んでいて前者の方が好きだなと思いました。シムノン特有の、夜の雨の雰囲気は前者でこそ濃く且つ纏わりつくものだと思います。捕り物劇はやっぱりアクション。心理ものは重要ではないのです。
 
 
「メグレと殺人者たち」でした(・∀・)/
次はヴァンパイアたちに会いに行きませんか!?(*^o^*)/