ジョルジュ・シムノン No.51◇メグレのバカンス◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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休暇は手紙で潰される!? ある家庭の秘密とは……

 
 

 
◇メグレのバカンス◇ -Les Vacances de Maigret-
ジョルジュ・シムノン 矢野浩三郎 訳
 
 
バカンスをすごすために来た海辺の町サーブルで、メグレ夫人は虫垂炎にかかり、手術を受けるはめになる。夫人の病室を見舞うのがメグレの日課。15号室の患者に会ってやってほしいというメモが、いつの間にかメグレのポケットにしのばせてあり、彼は気がかりになる。だが翌日病院に出かけてみると、その患者はもう死んでいた。自動車から転落して重傷を負った若い娘で、意識はついに戻らなかったという。地元警察は問題にしていなかったが、メグレはこの事故に不審をいだき、事故のさい車を運転していた娘の義兄ベラミ医師に接近していく……。
 
 
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メグレ夫妻の優雅なバカンスは特産のムール貝にあたったことと、夫人の虫垂炎で終わった。今の日課は6号室に入院する夫人のお見舞いである。
 
 
ある日。メグレのポケットに入れた覚えのない手紙が入っていた。15号室の患者に会ってやって欲しいーーー誰がこの手紙を入れた? というか15号室の患者とは何者か? ところが、翌日出向くとその患者は死んだと告げられる。その患者は若い娘で、交通事故に遭ってからずっと意識不明だった。クリニックの尼僧マリ・デ・サンジュはその娘リリーが譫言を言っているのを聞き、事件性を感じ、メグレへの手紙を書いたのだ。
 
 
もしかしてこれは殺人? メグレはリリーの義兄で医師のベラミを尋ねる。病的な嫉妬心から部屋に軟禁されている美貌の妻オデット。その部屋に少女が出入りしているのが気にかかるメグレ。ところが、その少女は何者かに殺され……
 
 
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「メグレのバカンス」です(・∀・)
 
 
こうしてメグレの休暇は潰される。の巻です←
犬が歩けば棒が当たるように、メグレが歩けば事件にあたります。というか休暇先で食中毒と虫垂炎になる時点で事件ですが← 夫人のお見舞いに行く病院で事件は起こります。手紙は事件を運ぶのです。
 
 
その手紙に導かれるようにメグレは町の有力者である医師ベラミに近づき、その家に隠された秘密に近づきます。
少女の死がそう繋がるとは。少女の死、出奔した、少女の兄。その2人とベラミ家を繋げる秘密……最近読んだ運命小説、ロマンス小説並みに虚しくて、じっとりしています。後半とか女と女の問題です。関係や手がかりも意外でミステリーとしてもよくできています。いやはや久しぶりの佳作でした。
 
 
「メグレのバカンス」でした(・∀・)/
次のホックはシリーズものだけじゃないんだぜ!?(*^o^*)/