イーデン・フィルポッツ No.14◇探偵ピーターズ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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シャーロック・ホームズに憧れる少年探偵の推理劇!

 
 

 
◇探偵ピーターズ◇ -Peters, Detective-
イーデン・フィルポッツ 東野さやか 訳
 
 
ホームズに憧れる友人が学内で遭遇した二つの事件の解決譚。
 
 
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ぼくが通っているメリヴェイル校に転校生がやってきた。名前はピーターズ。ぼくと同室になったその転校生はシャーロック・ホームズに憧れる探偵少年で友達の半クラウン硬貨を見つけたり、足音だけで先生の素性を見抜くなど人気者にだった。
 
 
ところが、二学期にピーターズが可愛がっていたモルモットが巣の中で死ぬという事件が起こった。犯人は同じくモルモットを買っており、そのことで仲違いしたジェイムズ少年だと思われたが……
 
 
モルモット事件に進展のない中、今度は鉛筆削り盗難事件が起こる。ピーターズは今度は犯人を見つけるが、それはかなりの意外な人物で!?
 
 
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「探偵ピーターズ」です(・∀・)
 
 
フィルポッツ初の学園ものです。
文章も軽くて読みやすくて読んでいてこれ、本当にフィルポッツか!? と疑いました←
 
 
さて、主人公ピーターズ。ホームズに憧れる数多の少年の1人です。ヴァイオリンも嗜むし、勘も知性もあります。
ですが、この話は。この少年が華々しく事件を解決する……話ではないのです。
ピーターズは間違えます。ですが、子どもが子どもの力だけでできることをやります。そしてそれは全てが丸く収まる結末に繋がります。学園ミステリーとしてほのぼのと読めます。これでシリーズものやれば良かったのに……
 
 
「探偵ピーターズ」でした(・∀・)/
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そんなわけでフィルポッツ翻訳作品を全て読み切ってしまった!!
フィルポッツは98歳も生きていたのでかなり多作ですが、翻訳作品はあまり多くないのです。故に本作を以ってフィルポッツ作品を読破しました! まるまる1年かかりました。たった16冊なのに時間かかりすぎ感が否めない……
 
 
フィルポッツは初期のクリスティーに大きな影響を与えました。その読者に大打撃を与える大どんでん返しと犯人像、殺人者たちの狂信的な善意には戦慄を覚えずにはいられませんでした。
いや、「赤毛のレドメイン家」を読んだ衝撃は忘れられません……後味の悪い結末も含めて。事件が根本的に覆る、というのを目の当たりにしましたね。
 
 
この衝撃が後々のクリスティーに影響を与えたと思うとゾクゾクしますね!
ミステリ黄金時代の先駆者の1人、イーデン・フィルポッツに敬意を!
 
 
ーーーイーデン・フィルポッツ著作、翻訳作品読破達成。
2018年10月20日