イーデン・フィルポッツ No.13◇孔雀館◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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ジェーンが目撃した惨劇の真実とは。

 
 

 
◇孔雀館◇ -Peacock House-
イーデン・フィルポッツ 三谷光彦 訳
 
 
女性教師ジェーン・キャンベルは夏休みの後半を亡くなった父親の友人で、彼女の代父であるグッドイナフ将軍の屋敷で過ごすことになった。グッドイナフ将軍は年寄りながら上品で思いやりがあひ、ジェーンは楽しいひと時を過ごす。
 
 
ある日。遠出したジェーンは孔雀のいる屋敷に迷い込んでしまう。しかもその屋敷で年上の男が若い女を射殺し、若い男が年上の男を刺し殺す殺人風景を目撃してしまった! 慌てて逃げるジェーン。ジェーンは口をつぐむことにしたが、追求する気持ちが抑えきれず、もう1回屋敷を尋ねるが、そこに屋敷はなかった!
 
 
さらに恐怖するジェーン。とうとうグッドイナフ将軍に話すことにする。将軍曰くかつてあの孔雀館にはフォスター夫妻が住んでいた。が、その妻メイには恋人がいたのだが、身分が釣り合わずに反対され、騙されて結婚し、それを知ったユースティスは激怒し、あの惨劇が……しかしジェーンは自分が見た3人と話に聞く3人の性格が違うように思えて……
 
 
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「孔雀館」です(・∀・)
 
 
フィルポッツ第2弾。今回はヒッチコック・マガジンから「孔雀館」です。ヒッチコックはあのヒッチコックです。あのヒッチコックが編集したミステリ雑誌です。1959年創刊で1963年で終刊なので寿命は短かったですが、人気はあったようです。惜しまれる休刊です。
 
 
今回の「孔雀館」は「闇からの声」と同じくホラーテイストですが、マジもののホラーです。あるはずのない屋敷を見てしまうわけですから。
 
 
本書は登場人物が少ない分、ジェーンとグッドイナフ将軍のやりとりや人柄が丁寧に描かれ、好感が持てます。それだけにジェーンが見てしまったことによって図らずも過去がこじ開けられてしまうところに物悲しさを感じます。忘れていた事件、ジェーンがいなければ思い出すこともなかった事件……2人が好人物だっただけに苦い決別になってしまいました。うーん、何ともはや。
 
 
「孔雀館」でした(・∀・)/
次でフィルポッツがフィナーレを迎えます(*^o^*)/