ジョルジュ・シムノン、パトリシア・モイーズ 他◇クリスマスに捧げるミステリー◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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クリスマスを祝って事件に当たる!?

 
 

 
◇クリスマスに捧げるミステリー◇ -8 Christmas Stories-
ジョルジュ・シムノン、パトリシア・モイーズ 他
 
 
─”クリスマス”の語源はキリストChristのミサmass.クリスマス・ストーリーの鼻祖C・ディケンズは、キリスト降誕のこの日に、改めて他者への善意、慈善の心の大切さを見つめなおそうと説いた。以降、この聖なる日を題材に数多くの作品が生まれている。心温まる話、ちょっぴり怖い話……趣向は様々だが、共通するのは、ディケンズのクリスマス精神である。
─G・シムノンの中編「メグレ警視のクリスマス」をはじめ、珠玉の8編を収録!
 
 
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1.聖夜の警官(トマス・L・アドコック)(酒匂真理子訳)
  (Christmas Cop)
  ……クリスマスのニューヨークは買い物客とそれを狙うスリたちでいっぱいだ。わたしはニューヨークを警備がてら歩き回りが、そこでスリ常習犯の少年に遭遇する。
 
 
2.小列車強盗(パトリシア・モイーズ)(宮脇孝雄訳)
  (The Small Train Robbery)
  ……同じ階級で同じような家族構成のスローン家とペティグリュー家。両者の主人は子どものクリスマスプレゼントの蒸気機関車がきっかけで知り合い、スイス旅行でも一緒になった。その帰りで一悶着が……
 
 
3.刑事の休日(ジョン・ディクスン・カー)(深町眞理子訳)
  (Detective's Day Off)
 
 
4.ミス・クリンドルとサンタ(マルカム・グレイ)(酒匂真理子訳)
  (Miss Crindle and Father Christmas)
  ……ミス・クリンドルが住むマッチ・クルーニング村に本物のサンタが出た!? 最初はまゆつば物だったが、ミス・クリンドル自身、そのサンタを見た。そのサンタは七面鳥を育てるジェイソンのところから七面鳥を失敬しているようで?
 
 
5.ランポールとクリスマスの精神(ジョン・モーティマー)(宮脇孝雄訳)
  (Rumpole and the Spirit of Christmas (Rumpole and the Defence of Guthrie Featherstone)
  ……弁護士ランポールは殺人容疑で告発されたエドワード少年の弁護を受け持つことになった。ランポールは無実を信じているが周囲は違う。ランポールは相反するリグルズワースにワイン選びを頼まれ……
 
 
6.聖夜に死す(ジェイムズ・パウエル)(木戸淳子訳)
  (Death in the Christmas Hour)
  ……クリスマスの最初の1時間だけ、おもちゃと動物たちに命が宿り、言葉を話す。玩具博物館の"ヴィクトリア女王時代のクリスマス"のおもちゃたちもそうだ。ささやかなクリスマス・パーティーでパンチとジュディのジュディが殺され、ホームズ人形が事件に挑む!
 
 
7.シヴァーズ嬢の招待状(ピーター・ラヴゼイ)(深町眞理子訳)
(Supper with Miss Shivers)
  ……シヴァーズという女性からクリスマス晩餐会に招待されたジムとフラン・パーマー夫妻。けれど2人ともその名前の女性に覚えがない。間違いかと疑って2人は招待を受ける。彼女はフランの両親と関わりのあった人だった……
 
 
8.メグレ警視のクリスマス(ジョルジュ・シムノン)(長島良三訳)
  (Un Noël de Maigret)
  ……クリスマスの日。そんな日でもメグレに休みはない。マルタン夫人と知り合いのマドモアゼル・ドンクールが尋ねてきたのだ。なんでも夫人の娘でドンクールが面倒を見ているコレットの部屋に本物のサンタクロースがやってきた? 床板に穴を開けて何をしようとしていたのか?
 
 
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「クリスマスに捧げるミステリー」です(・∀・)
題名の通りクリスマスの事件簿です。8編ともクリスマス前後に事件が勃発しています。悲しいかな、大事な行事でも事件は起きるものです。
 
 
しかしディキンズも言うように、クリスマスはみんなハッピーでなければいけません。ですので本書も1編を除いてジーンと胸が暖かくなったり、きちんと事件が解決したり、「いい話だなぁ……」とポツリと呟きたくなるようなお話です。6とかファンタジーの世界です。昔、子どもだった頃に観たらクラシック音楽にのせておもちゃが動き回るあの光景が眼に浮かぶようです。7のラヴゼイは勝手に怖い作家だと思っていたのですみませんでした← 
 
 
4と8は本物のサンタクロース登場!? なちょっとワクワクするような幕開けです。しかしシムノンでワクワクすることなんざあるわけなかったなー← それに比べ4は人は死なないし、本当にハッピーエンド話です。1はサンタは出てきませんが、スリ常習犯たちのクリスマスならではのちょっといい話です。クリスマスというのは色々なことが尊く見えるものです。
 
 
やっぱりクリスマスって良いなぁ! 一緒に過ごす相手がいれば、尚良し!!
 
 
「クリスマスに捧げるミステリー」でした(・∀・)/
次はホック、またもたくさんの短編たちです(*^o^*)/~