ラグナル・ヨナソン No.2◇極夜の警官◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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警官銃撃事件に小国アイスランドに激震が走る。暗い夜の空き家にあるのは?

 
 

 
◇極夜の警官◇ -Night Blind-
ラグナル・ヨナソン 吉田薫 訳
 
 
アイスランド最北の小さな町シグルフィヨルズル。日が昇らぬ極夜の季節が近づいたある朝、アリ=ソウルに一本の電話が入る。署長ヘルヨウルフルの妻からで、夫の行方が分からないという。アリ=ソウルは、町はずれの空き家で瀕死の重傷を負って倒れている署長を発見する。そして署長の息子から、事件現場で父親が何をしていたかを知っていると聞く。空き家ではドラッグが売買され、それに政治家が絡んでいる可能性もあるという。空き家は五十年ほど前、住んでいた双子の一人が死んだ場所でもあった。十四か国で翻訳された北欧ミステリの人気シリーズ第二弾!
 
 
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アイスランドにとって冬は太陽のない季節でもある。そんな冬、極夜が近づくある日、インフルエンザで仕事を休んでいたアリ=ソウルのところに電話がかかっていた。署長ヘルヨウルフルの妻からで夫が帰って来ないという。こんな小さな町で? と訝しむが、アリ=ソウルは町外れにある小さな空き家でそのヘルヨウルフルが撃たれて倒れているところを発見する。
 
 
警官銃撃事件は平和な小国アイスランドを大きく揺るがした。異動した上司のトーマスも戻り、2人は捜査を開始するが、撃たれたヘルヨウルフルの息子からあの空き家で薬物の売買があり、それに政治家が絡んでいる可能性があると聞かされる。さらにあの空き家は50年前に双子の1人が不可解な死を遂げていたーーー
 
 
警官銃撃事件、薬物の売買、その裏に潜むシグルフィヨルズの政治家たち。事件の真相は、過去の真相はどこに?
 
 
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「極夜の警官」です(・∀・)
涼しさを求めて読みましたが、「ここでは新鮮な空気は吸えない」のキャッチコピーに気が滅入ること言うじゃねぇ!!と早速気持ちが冬になりました←
 
 
このシリーズの第2巻であれから4年が経ちました。保守的な田舎町シグルフィヨルズルはなんとかアリ=ソウルを受け容れたようです。1巻でドン引きしたウグラとはすっかり縁が切れ、パートナーのクリスティンとよりを戻して息子ができました。……が、お前らまたかよ。
全然変わってないな!! 会話しなきゃそりゃすれ違うわ! アホじゃないの!? 特に悪いのはアリ=ソウル、手前だよアディ・グンナだけ責めるな。秘匿主義ってよほどうまくやらないと痛い目に合う。あとね、償う償ったって問題じゃないんだよ。
 
 
北欧ミステリーの主人公ってみんな欠点だらけで重い過去を人より多く持っていますが、巻を重ねて読むと同情するところの方が多くみえてきてだんだん嫌いになれなくなるんですが、2巻読んだアリ=ソウルはなんでそうなれないのか……と考えて分かりました。幼いんだ。すごく。精神的に未熟なんだな。1時の感情に走った後悔するなんてまさに幼いそのものでしょう。父親の謎の失踪の真相を日本の読者が知らないのもあるんだろうけど……って、分かっているなら話そうよ。パートナーに隠し事は無しなんて誰でも知ってるわ! 
いや、アリ=ソウルもクリスティンも好きになれないし、上司のトーマスだけが救いです……
2人を見て寂しいという理由で浮気や不倫に走る人間には絶対になるまいと神に誓いました。って前も書いたなコレ←
 
 
でも秘匿主義がもう通じないと気づいたところは評価したい! でも3回目はないぜアリ=ソウル。健闘を祈る!
 
 
そんなわけで事件に入りましょう。
 
 
平和な国のアイスランドに大打撃。銃で警察官が撃たれて死んでしまいました。シグルフィヨルズルなんて玄関に鍵をかけなくても寝れるような町だったのに……泣けてきます。アイスランドは人口の割に銃所持数が多く、それにも関わらず銃発砲の原因は半分は自殺で半分は事故、なんて国だったのに……
 
 
そんなセンセーショナルな事件が起こったのがよりによって曰く付きの空き家。北欧ミステリー18番の「過去の事件」です。……なんですが、全体的に小粒なんだよな……政治家がらみの薬物売買も大したことなかったし……アイスランドだとこんなものなのか? デンマークやノルウェー、はたまたスウェーデンだとあんな風←こんな風に規模がデカくなるのか? あとキャラクターの言動もあっさりし過ぎて物足りないー。散々ビビったエーレンデュルシリーズに肩入れする日が来ようとは……
 
 
「極夜の警官」でした(・∀・)/ 
ハインラインもいよいよ読破間近(*^o^*)/~