ラグナル・ヨナソン No.1◇雪盲◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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新任警官が配属された雪深い町での事件は人々と過去を揺さぶりーーー

 
 
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◇雪盲◇ -Snow Blind-
ラグナル・ヨナソン 吉田薫 訳
 
 
新人警察官アリ=ソウルの赴任先は、アイスランド北端の小さな町・シグルフィヨルズル。恋人を置いてたどり着いた町は、閉鎖的だが「ここらじゃどうせ何も起きない」と上司は言った。
だが着任から二か月後のある日、町の劇場で老作家の死体が発見される。上司は事故で処理しようとするが、アリ=ソウルは遺体の状況から他殺を疑う。さらに雪の中で半裸の女性が瀕死の状態で発見されて――。
捜査を進めるアリ=ソウルの耳に、住民の不穏な過去ばかりが届き始める。町の外へ通じる唯一の道は雪崩で塞がっている。
犯人は町の中にいる!
 
 
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神学を中断し、新米警察官になったアリ=ソウル。赴任先はレイキャビクから400キロ離れた北端の町シグルフィヨルズル。この町は小さな町で戸締りも要らず、住民は皆、顔見知り。アリ=ソウルは早速疎外感を味わう。
 
 
上司のトーマスは「何も起こらない」と言ってのけたが、2ヶ月後、劇団に所属していた元作家の老人フロルフルが転落死した。トーマスは大騒ぎを恐れ、事故だと言うが、ピアノ教師のウグラの言葉から他殺を疑うが、半裸の女性が瀕死の状態で見つかる。その女性は同じ劇団員のカルトゥルの妻リンダ。一体誰がこんなことを? そしてこれはフロルフルの死と関係があるのか?
 
 
醜聞を嫌がるトーマスも腰を上げ、調査は本格化するが、アリ=ソウルは相変わらず恋人のクリスティンと仲直りできず、ウグラに惹かれる。そして雪崩が起きーーーあらゆる過去を持った人間たちを閉じ込めた!
 
 
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「雪盲」です(・∀・)
「湿地」から約5ヶ月、ついにアイスランド・ミステリ特集最終回です。いやー、意外に続くものですね。まだそんなに作品数ないのに。もしこれがスウェーデン・ミステリ特集だったら1年過ぎててもやってますよ絶対。
 
 
今回は小学館文庫から「雪盲」です。アイスランドでも新人ほやほやのラグナル・ヨナソンによる「ダーク・アイスランド」シリーズの1作目です。
 
 
主人公アリ=ソウルは両親の失踪と死から神を信じなくなったが、それでも決別できず、神学を学んだものの中断して警察官になっまというこれまた陰を持った主人公。年齢24歳。若いです。若いゆえに公私共々、蹴躓いたり、迷ったりしています。アリ=ソウル、おめぇ……今の君じゃ、クリスティンもウグラも不幸にするわ。未来は「ど修羅場」、「両者ともに破局」しか見えん……わたしはクリスティンのところに戻るか両者ともに破局を推すぜ!←(これを推すのはウグラをこれ以上マジものの悪女にしたくないからというのもある)
ちなみに上記の内容を先に書いたのは電車の中で考え過ぎて一気に気分が悪くなってとにかく発散したくなったからです。書いたらちょっとスッキリしました。これで風呂に入って寝れば完璧だ!
 
 
作品に入ろう、作品。
 
 
シグルフィヨルズル。レイキャビクから400キロ離れた北端の町。北極圏に近い町。小さな小さな町。住民は皆、顔見知り。戸締りも要らない。……そんな町で次々と事件が起こります。中心となる劇団員たちはそれぞれ秘密があり……その繋がりの閉塞感に窒息しそうです。殺されたフロルフル、瀕死の状態で見つかったリンダ。同時期に起こった2つの事件がこうも捻れるとは。そしてその事件が明かす劇団員たちの過去が明かす、あまりにもあまりにもやるせない真実! フロルフルもカルトゥルも酷い悪人です。時効がないことも証拠がなければ役に立たない……何もできないという事実が冬の寒さのように身に沁みます。あとカルトゥルは逃げた先で天罰が下ればいいと思います。
 
 
このアリ=ソウルシリーズは5作まで出ていて日本でも2作目と5作目が翻訳が決まりました。思うところはありますが、楽しみに待とうと思います。
 
 
「雪盲」でした(・∀・)/
 
 
これで5ヶ月続いたアイスランド・ミステリ特集は一旦終了します。しばらく「文豪ストレイドッグス制覇計画」オンリーにして19日以後から「コマドリの賭け」を封切りにノルウェー・ミステリ特集が始まります。やっとハリー・ホーレにまた会えます! ジョー・ネスボが一息ついたら東京創元社、早川書房etcを漁りに漁ってノルウェー・ミステリを開拓します! お楽しみに!
 
 
サイモン・アークとまたオカルト三昧の旅に出ます(*^o^*)/~!