宇宙に憧れる少年、いきなり宇宙の真っ只中に！
◇スターファイター◇ -Have Space Suit;Will Travel-
ロバート・A・ハインライン 矢野徹・吉川秀実 訳
宇宙飛行士になることを夢見るぼくは、懸賞に応募して、一等賞はのがしたもののみごと入選し、中古ではあるが本物の宇宙服を手に入れた。さっそく修理して着用におよぶ。そのとき、宇宙服の通信装置に聞きなれない声が入ってきた。着陸許可を求めているらしい。いったい誰が、なんの目的で？ ハインラインの代表的名作SF。
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ぼくことクリフォード・ラッセル、愛称「キップ」は宇宙へ行くことにとてつもなく憧れている少年だ。月面基地が設立される今日、宇宙はSFとファンタジーのものではなくなっていた。
ある日、石鹸会社が月世界旅行を優勝商品にした懸賞コンテストをやることを知る。ぼくはバイト先の薬局で石鹸の包み紙を貰い、膨大な数の石鹸の包み紙とキャッチコピーを送る。結果は……優勝はできなかったけど、入賞して本物の宇宙服が手に入った！ さっそくオーバーホールしてそれを着て歩き回る。
……が、ぼくは大学に行くことになっているが、どう足掻いてもお金が足りない。バイトをしてもやっぱり足りない。斯くなる上は宇宙服オスカーを手放すしかない。手放す最後の日、ぼくはオスカーを着て裏庭を歩き回るが、その通信措置から誰かの声が。上を向くとーーーなんと宇宙船が！？ 悪い宇宙人〈虫けら面〉に捕らわれた"おちびさん"と彼女を助ける良い宇宙人"ママさん"とともに月に！ 冥王星に！ 小マゼラン雲に！ ぼくの手に余る大規模冒険が始まった！
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「スターファイター」です(・∀・)
本書はもはやハインラインの十八番← ジュヴナイル作品ですが、子どもの宇宙、天体、惑星、宇宙人に対する憧れにあふれています。
懸賞で月世界旅行に応募して、外れたとはいえ、中古、だけど本物の宇宙服をゲットするとか宇宙に憧れる男の子たちには本望でしょう！ 宇宙に対するワクワクが詰まっています！ 宇宙服をオーバーホールする過程とか緻密で教科書を読んでいるみたいで楽しかったのですが、なぜか児童書の「〜のサバイバル」シリーズを思い出しました。宇宙旅行が実現したら絶対出るぞ。
本書は、謂わば。
SF版「ボーイ・ミーツ・ガール」ストーリーです。通信措置から謎の声、謎の宇宙船から女の子！？ 2人と良い宇宙人で力を合わせて悪い宇宙人をやっつけろ！ ーーーなんてまさしく王道じゃん！！ このおちびさんが幼くてお転婆で天才少女。でもやっぱり感情に先走るところがあってぼくことキップが男としておちびさんの盾になり、又は隣に立つところがカッコいい。
……ってところで筆を置けたら良かったのですが、後半はキップとおちびさんを通して「人類」が裁かれるという凄い顛末に。読んでいて「ド◯え◯ん」の「雲の◯国」を思い出しました。観た人は分かるかもしれませんが、あんな感じで2人が良い宇宙人の代表←ママさんの種族に裁かれます。宇宙進出し、それが目に余るようだったらわたしたちも裁かれるかもしれません。これはもしかしたら確実に訪れる未来、なのかもしれません。その時、キップらがもらえた「執行猶予」ですら貰えるのか？
「スターファイター」でした(･∀･)/
次は安定絶好調！ ホックです(*^o^*)/~