盗みから殺人、倒叙まで! クロフツの目覚ましい活躍!
◇クロフツ短篇集 2◇ -The Mystery of the Sleeping Car Express-
F・W・クロフツ 井上勇 訳
前集に引き続き、本邦初訳作品多数を含むF・W・クロフツの名短編を収めたファン必携の作品集。「ペンバートン氏の頼まれごと」「グルーズの絵」「踏切り」「東の風」「小包」「ソルトバー・プライオリ事件」「上陸切符」「レーンコート」の八編を収録した。いずれも、完全犯罪を企む犯人の狡知に、我らがフレンチ警部がねばり強く挑んでゆく。果たして正義は勝利を収めるか?
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1.ペンバートン氏の頼まれごと
(Mr. Pemberton's Commission)
……所用でパリに来ていたペンバートン氏は知人の小間使いの娘から頼まれごとを受けた。それは包みを運転手に渡すという簡単なものだったが、その小包の中のネックレスは盗品だった!? しかも……
2.グルーズの絵
(The Greuze)
……代理業者のラムリ氏はスナイスという男からアーサー卿が所有する絵を自身が持つ模写の絵と引き換えにぜひ手に入れたい、交渉して欲しいと依頼される。絵は無事手に入れることができ、話はそれで終わったと思ったが、手に入れた絵も模写だった!?
3.踏切り
(The Level Crossing)
……ダンスタン・スウェイトは会社の金を横領したという弱みを握り続けるジョン・ダンを殺す計画をたてた。踏切を使って……しかし……
4.東の風
(East Wind)
……仕事でダートムアに向かったフレンチ警部は着いた駅で暴漢らによる殺人事件に遭遇した。フレンチ警部が載っていた列車にはサンディスという宝石泥棒が乗っていたのだ。フレンチ警部ら警察の必死の追跡戦が始まった!
5.小包
(The Parcel)
……スチュアート・ハスラーは昔、金を横領し、捕まった前科があった。それから月日が流れ、自分を罠に嵌めた男と再会した時……計画殺人の幕が上がった!
6.ソルトバー・プライオリ事件
(The Affair at Saltover Priory)
……夏休暇でソルトバー・プライオリに来たフレンチ警部はその有力者の自殺事件の調査に巻き込まれる。最初は興味がなかったが、これが殺人事件だと分かり……
7.上陸切符
(The Landing Ticket)
…マスターマン・カールは会社の金2万ポンドを盗み、逃亡計画をたてた。一緒に船に乗った同僚に自殺を仄めかす様子を見せて……姿を眩まして……しかし……
8.レーンコート
(The Raincoat)
……スチブン・ホーラビンは共同経営者のペリングを殺し、同じく共同経営者のベンナーに罪を被せる計画をたてた。ベンナーはペリング夫人とただならぬ関係にある。動機は十分だ。しかし……
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「クロフツ短篇集 2」です(・∀・)
題名にもなっている「The Mystery of the Sleeping Car Expres」ーーーもとい「急行列車内の謎」は「世界短編傑作集 2」に収録されているため省かれたました。……なんか詐欺られた感満載……ええー……じゃあこれ読んでもクロフツ読破できないじゃん! ゲットしなければ!
閑話休題。
前回と同じく短篇集、第2弾です。今回は倒叙だけに非ず。宝石泥棒から自殺事件、横領犯を追跡したり、前回と打って変わってバリエーションに富んでいます。
しかもセルウィン・アンド・ブラウン出版社の主催の下、クロフツから実際に警視だったコーニッシュに「警察の立場からその犯罪を扱わせる」という大胆不敵な挑戦状よろしく作品まで!
作品の方もびっくりします。なんとフレンチ警部が敗北します。犯人も捕まえられることもできなければ、盗まれたものを取り戻すこともできなかった事件があるのです。どれでしょう?←
ええーーー! ちょっと待て待て、クロフツでフレンチ警部ものなら犯人は逮捕、盗まれたものは奪還しなきゃ! 正義は勝たなきゃ!
うーん、こういうところは凡人探偵、足の探偵と言われるフレンチ警部ゆえ……なのか? でも宝石も取り戻せないってちょっとまずいでしょ。犯人もまずいけど。犯人逮捕できなかったケースは他の探偵でもありましたが、これ、この上なくクロだし←
よーし、まず傑作集ゲットして「急行列車内の謎」、次に別冊宝石収録の「指紋」、それで最終作「関税品はありませんか?」にレッツラ・ゴーだ!
「クロフツ短篇集 2」でした(・∀・)/
次はクラークも久しぶりの短篇集です(*^o^*)/~