あらゆる火薬武器を無効化する『トリガー』はアメリカをーーー本当に世界を平和にするのか!?
◇トリガー・上◇ -The Trigger-
アーサー・C・クラーク&マイクル・P・キュービー=マクダウェル 冬川亘 訳
量子力学を研究するアメリカの科学者ホートンは自ら開発した粒子放射機が驚くべき効果をもつことを偶然に発見した。装置の作動とともに周囲数百メートル以内のすべての火薬が発火するのだ。しかも既知の手段ではそれを防げない。トリガーと命名したこの装置ならば銃を持ちこめない安全地帯を作りだせる。だがこれは世界の軍事力の均衡を崩す危険をはらんでいた。先端技術が招く世界秩序の危機をスリリングに描く長篇SF。
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テラバイト複合研究所の副所長のホートンは量子力学を研究し、『ベイビー』こと粒子放射機を開発した。いつものように実験を行なったある日、研究所内で爆発事故が起こる。その原因はなんと自分が開発した粒子放射機!?
装置が作動するとその範囲内のニトロを含む火薬が悉く発火してしまうのだ! この装置があれば銃といった火薬武器を迂闊に持ち込むことができないーーー銃や火薬武器を持ち込めない安全地帯を作ることができる!
しかしこれが横取りされたら大変なことになる。所長のブロヒヤらは大統領にこの『トリガー』と名付けたこの機械の扱いを委任するがーーー!?
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「トリガー」です(・∀・)
このキュービー=マクダウェルは「悪魔の平行世界」、「星々へのキャラバン」等を書いています。「スターウォーズ」のノベライズもやっているようです。
wikiさんで調べたらなんとアシモフとも合作したようです。嘘! そんなの知らない!
今回の作品は発見された最先端技術が(比較的近未来の)世界を変えるという「マグニチュード10」と同じ系統の作品です。近い将来、こうなるかもしれないという現実性があります。あらゆる火薬武器を無効化する……うーん、画期的ですね。少なくとも銃で自己保身の安全を確保して、他人に危険と危害を及ぼす銃社会とはお別れですね。またアメリカの銃社会の歪さを指摘するシーンもあります。自分の身を守る銃に振り回されるってそれってどうなの。
『トリガー』は大統領ブリーランドの下、合衆国の平和と世界平和ーーーカンボジアの地雷撤去等々ーーーに使われる訳ですがなかなか波瀾万丈です。ホートンとリーと一緒に働いていたゴーディの目論見は!?
いざ、下巻へ(*^o^*)/~