タイタンから地球へーーー探求と原点に還る旅。
◇地球帝国◇ -Imperial Earth-
アーサー・C・クラーク 山高昭 訳
宇宙航行に欠かせぬ水素を大量に算出するタイタンに、マケンジー一族は華麗なる一大王朝を築きあげていた。時は2276年、近づくアメリカ建国500年祭にタイタン代表として招聘されたダンカン・マケンジ―だったが、彼には祝典参加のみならず重大な密命があった!巨匠が人類と宇宙の未来を高らかに謳う傑作。
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2276年。宇宙航行に必要な水素で財を成したマケンジー一族。彼らは実質タイタンでは皇帝だった。
ダンカンはタイタン代表として地球、アメリカから建国500年祭の招待を受ける。もちろん招待は受けるが、過去の感傷以外に理由があった。
実はダンカン・マケンジーは先代コリンからの遺伝子を受け継いだクローン人間。そのコリンはタイタンで水素の必要性に最初に着目したマルカムからの遺伝子を受け継いだクローン人間であり、3人は子孫を残せない遺伝子の持ち主であり、地球にいってクローン技術を得ては後継者を作ったのだ。
つまりダンカンも地球に行かずして後継者を成すことができないのだ。ダンカンは密命を帯びて地球に行くが、昔の想い他人キャリンディーと義従兄弟にしてライバルのカールが何か企みを持っていることが分かり……
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「地球帝国」です(・∀・)
「文豪ストレイドッグス制覇計画」が長かったせいか、お久しぶり感があります(笑)
今回は惑星から地球に行くというちょっと珍しいパターン。さすが作者が違えば地球の立場も違うもので、こちらの地球はバリバリ発展しています(笑) 蔑まさせることもなければ、忘れ去られることもなく……(゚ーÅ) 題名に騙されがちなんですが、全然帝国という感じはしません。
本書はクラークの18番、異星生命体の接触を示唆しています。まだその装置を設置しようとする段階ですが、35章の終わりで根源を問うところがやっぱりクラーク……と思ったり。宇宙船シリウス号はやっぱり想像力のキャパを超えかけました← 大丈夫でした。セーフ!
本書で1番面白いのって人間だと思うんですよね。遺伝子上に問題を抱えたマルカムとクローン人間コリンとダンカン。マルカムが許せないエリンおばあちゃま、従兄弟にしてライバル、カール、そして想い人キャリンディー。
クローン人間であるダンカンは自分自身からしてもはや人工物なわけで、その彼が地球の、人の立ち入れる隙のない自然に触れるシーンは感慨深いです。
キャリンディーを見て思ったけど、クラークは恋愛面を苦く書けているなと思うんですよ。これ、褒め言葉でして←、クラークの書く恋愛って単純に恋愛が成就したー、失恋したーとか単純じゃないんですよね。やっぱり本人の経験がものを言っているんでしょうか。1番最たるのが名作短篇「遥かなる地球の歌」でして、ここに本書と同じ味がします。「過去のものは決して同じ姿で戻ってこない」という味です。
……まぁ、こちらはきっぱり切れますが←、短篇の方はラスト、本当ににっがいです。わたしがローラだったら別れるし、クライドの立場だったら、ローラの下から去ると思います。遠くの人を目の前の人に見るって侮辱ですからね。
うーん、クリスティー女史以外でそんなことを思う本と作家が居ようとは……! やっぱり本を読むってやめられねぇ! でもやっぱりモヤモヤするぅ! そんな時はブログで書いて発散だぁ!!
「地球帝国」でした(・∀・)/
次はエラリー、事件を求めて世界を豪遊します←(*^o^*)/~
おまけ↓
豪遊→豪遊 「周遊」
「ちょっと書き直さないでよ! エラリー!」
「"周遊"と言いたまえ。ぼくは遊びに行ったんじゃない」
「いやいや、ここまで行くと豪遊レベルだから! あー、もう……いいわ。周遊か豪遊かはブログを皆さんに判断していただくから!」
「君じゃないのかい」
「もちろん、わたしもするに決まっているでしょう。そうだ。東京はどうだった?」
「……読んで判断したまえ。きみの意見を楽しみにしているよ」
「……(ニヤリ)ありがと。そうするよ」