クイーン夫人ジェシィのところに来た謎の招待状。初対面の6人の男女と盲目の老富豪の歪な家の、歪んだ集まり!
◇真鍮の家◇ -The House of Brass-
エラリー・クイーン 青田勝 訳
ハネムーンから帰ったクイーン警視夫妻を待っていたのは、何とも奇妙な招待状だった。ブラスという老人が、警視の妻ジェシイを含む、互いに何の面識もない六人の男女に莫大な遺産を遺したいと提案したのだ。興味を惹かれた夫妻が訪れた老人の邸は、建物も住人も想像以上に異様なものだった。
奇妙な提案の裏にはいかなる謎が隠されているのか? 果たして起こった第一の殺人の犯人は? クイーン警視が必死の推理で挑む!
奇妙な提案の裏にはいかなる謎が隠されているのか? 果たして起こった第一の殺人の犯人は? クイーン警視が必死の推理で挑む!
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ハンフリィ事件後、ついに結婚したリチャード・クイーンとジェシイ・シャーウッド。2人は仲よく新婚旅行へ繰り出し、その帰路に着いた先の我が家で事件は始まった。
ジェシイ宛に手紙が届いていたのだ。中身はなんと100ドル札と真っ二つに切れた1000ドル札。ジェシィはなぜかブラスという富豪の財産相続人の1人になったらしい。
ブラス富豪の家ーーー真鍮の家には6人の男女と付き添いが集まった。至るところ真鍮だらけのおかしな家の主人ヘンドリックはかつてこの6人の親から恩恵を受けたのだと話すが、その夜、そのヘンドリックが襲われた!
最初から胡散臭いところと感じていたリチャードは先の事件で一緒に事件調査した5人を呼んで調査する。そこから分かったのはヘンドリックの歪な真相。集めた意味は復讐なのか。そしてヘンドリック自身の死。犯人は誰で、果たして遺産の600万ドルはどこにあるーーー!?
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「真鍮の家」です(・∀・)
クイーン警視自身の事件、再びです。
本書はクイーン警視オンリーが主役のこちらの続編です。ここで出会ったジェシイはめでたくクイーン夫人になり、2人仲良くハネムーンから帰って来たところから話は始まります。
……というかたびたび思うけど時系列おかしくないですか? パラレルワールド? それともサザ○さん方式を取り入れてまたやめたの?
まぁ、いいや。この問題は国名シリーズからして引きずっているし。もう論じたところで詮無い。ああ、幻のエラリー夫人とエラリー・ジュニア←
はい、仕切り直し。ジェシイはめでたくクイーン夫人になりました。パパの再婚は息子をかつてないほど仰天させましたが、この上なく上手くいっていて良かったです。まぁ、エラリーはもういい大人だし……でもお互い大事に思っているのは周知の事実ですからジェシイに最高の人間性を求めたわけですね。分かります。いい息子だなぁ。
今回はクイーン夫妻が主役です。前回助けてくれた5人組も出て来てアシストしますが、ほとんどクイーン警視の孤軍奮闘。ジェシイは実にナイスタイミングでリチャードを助け、慰めます。リチャードはエラリーと違って推理面において不器用な面もありますが、ひたすら諦めず、事件解決にアタマを抱える姿はエラリーとは違った意味で人間を感じます。また他の招待客も脆くて尊大で、そのくせ嘘つきで人間的です。
そう。これはクイーン夫妻が主役の話だと思っていました。いや、実際そうなんだけど。正確に言うなら少なくとも1から10までリチャード・クイーンが事件を解決すると思っていたんです。が、実際は。
最後のトリを飾るのエラリーなの!?
なんでここでエラリー出すかなぁ!!?
そりゃ、確かにクイーン警視は翻弄に翻弄されたけどエラリーを出したらあっさり解決って言うのもなぁ……シチュレーションやクイーン警視の孤軍奮闘は良かったのにそこで一気にがっくし……フレック署長に罪はないから、やっぱり自分で気がついて、5人組義勇兵と一緒に大捕物の方が良かった……
ここでめでたくクイーン夫人になったジェシイですが、今後出番はあるんでしょうか? せめて「心地よく秘密めいた場所」で出てこないと大団円にならないような。ぜひ出番キボンヌ!
「真鍮の家」でした(・∀・)/
次は「文豪ストレイドッグス」制覇計画、《組合》から作戦参謀殿です、どうぞ!……、……ってちょっと、恥ずかしがってないで出て来てよ、逃げないでー!