史上初の宇宙からの訪問者は巨大な金属筒だった! エンデヴァー号はラーマとの接触を試みるが!?
アーサー・C・クラーク 南山宏 訳
2130年、太陽系に突如侵入した謎の物体は、直径20キロ、自転周期4分という巨大な金属筒であることが判明した。人類が長いあいだ期待し、同時に怖れてもいた宇宙からの最初の訪問者が、ついに現われたのだ! "ラーマ"と命名されたこの人工物体の調査のため派遣されたエンデヴァ―号は、苦心のすえラーマとのランデヴーに成功、その内部へと入ったが……ヒューゴー賞ほかあまたの賞を受賞した名作、待望の改訳決定版!
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宇宙からの災厄者、大隕石に対して人類が結託し始めたはるか未来。太陽系に突如侵入したその小惑星31/439はなんと超巨大な金属筒だった!
金属筒は"ラーマ"と名付けられ、委員会が設けられた。ラーマの調査のため、エンデヴァー号が派遣された。苦心してラーマに潜入した指揮官ノートンらエンデヴァー号はラーマ内の世界の1つ1つに圧倒されることになるーーー!
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「宇宙のランデブー」です(・∀・)
クラークの圧倒的名作登場です。
ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞と名だたる賞を総なめした、歴史的作品。いやー、どんな話なんだろうと楽しみにしていました。
人類がはるか彼方の宇宙からの訪問者を迎える、つまり人類と宇宙世界の住人の邂逅はSFにおいて絶対に書きたいテーマですよね。本書はいつかも書いた、クラーク18番の圧倒的、神秘的領域へ足を踏み入れるタイプの話です。
なにこれ、この金属筒凄すぎる。もはや1つの世界ーーー惑星です。都市部分があり、海があり、異星生命体が生きてーー未知の領域と言っても異次元過ぎて想像のキャパを超えました← この金属筒に惑星の全てが入っているなんて……!ラーマだって表紙がなかったらイメージの固定もできませんでしたorz
クラーク先生は仏教国家スリランカの影響なのか、有から無、精神と次元の超越を極限まで目指しているような。
ラーマ調査のために派遣されたエンデヴァー号のメンバーも1人1人、キャラが立っています。ノートンはもちろんのこと、ドラゴンフライ号で波瀾万丈の冒険をしたジミー、水星からの爆弾回避に一役かったロドリゴ、副長ジェリー、生命維持の手綱を握るマーサー、軍医にして生物解剖医←ローラ、レゾリューション号艇長ルビー、みーんな有能です。
調査するにつれ、ラーマに親しみを感じ、最後喪失を感じるノートンの姿は未知なる者に出会った人の常ですね。
ラーマのことは分からないことだらけだし、最後の一文からして続きがなかったら泣くわと思いましたが、やっぱり続編はあります。やったね! ただクラーク1人ではなく、ジェントリー・リーという人との合同著作。というか実質リーが書いたようなものらしいです。それでもクラークのアイデアが元になっているのは変わりないし、楽しみにしようと思います。
「宇宙のランデブー」でした(・∀・)/
次はクイーン警視夫妻の事件です(*^o^*)/~