科学と惑星と宇宙の物語の欠片たち!
◇太陽からの風◇ -The Wind From the Sun-
アーサー・C・クラーク 山高昭・伊藤典夫 訳
途方もなく大きな円形帆は、惑星の間を吹く太陽からの風を受けていっぱいにふくらんでいた。レース開始まであと3分。これから地球を2周して、その加速で地球から脱出し、月へとむかうレースが始まる…男たちの夢とロマンをのせ、宇宙を疾駆する太陽ヨットレースを描いた表題作をはじめ、木星の生命体との驚異のファースト・コンタクトを見事に描き、ネビュラ賞を受賞した「メデューサとの出会い」など全18篇を収録。
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1.神々の糧
……「メデューサとの出会い」参照。
2.大渦巻Ⅱ
……「メデューサとの出会い」参照。
3.輝くもの
……「メデューサとの出会い」参照。
4.太陽からの風
……「メデューサとの出会い」参照。
5.秘密
……「メデューサとの出会い」参照。
6.最後の命令
……核攻撃で滅亡したソ連の首相は最後のメッセージならぬ最後の命令を残していた。その最後の命令とはーーー
7.Fはフランケンシュタインの番号
……その日、世界中あちこちで電話が一斉に鳴った。ところが、その電話からは人の声は聞こえなかった。世界中の電話システムが1つの巨大頭脳になったという結論に達するが、それは、すなわち。
8.再会
……地球にメッセージ送った主はかつて地球にい、ある病気から逃れるため地球を去って行った者たちの子孫だった。彼らは援助をしに来たのだ。
9.記録再生
……ノイバークは載っていた宇宙船が爆発して宇宙空間に放り投げられて身体を失い、精神だけが救われた。ノイバークは身体を再構成しようと試みるが、記憶はどんどん失われーーー
10.暗黒の光
……チャカという独裁者が支配するアフリカのとある国。チャカと同じ部族の出身であるわたしはNASAの赤外線通信装置からチャカを暗殺する計画を練り、それを実行する。それはーーー
11.史上最長のSF
……ジンクス殿の寄稿に対するモリス・K・モビウス編集長からの断り状。
12.ハーバート・ジョージ・モーリー・ロバーツ・ウエルズ殿
……わたしは「史上最長のSF」でH・G・ウエルズの「予見者」を引用した。ところが、その「予見者」はウエルズの書いたものではなかった!?
13.あの宇宙を愛せ
……地球は危機に瀕している。地球は最近発見された無限の速さを誇るテレパシーで銀河系の超文明にSOSのメッセージを送ろうとする。その方法はーーー
14.十字軍
……太陽を知らない惑星で知性が生まれた。意志を持った彼らは2つの子知性を惑星を挟む両銀河系に使者として送り込む。
15.無慈悲な空
……「メデューサとの出会い」参照。
16.中性子星
……宇宙巡洋艦フラットブッシュ号はムコイド人との戦争中に破壊された。地球の一千億倍の重力を持つ中性子星に近づき過ぎてバラバラになり、液状化したのだ。
17.地球の太陽面通過
……「メデューサとの出会い」参照。
18.メデューサとの出会い
……「メデューサとの出会い」参照。
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「太陽からの風」です(・∀・)
既出の作品も多かったのですが、未読の作品が10冊とこちらの方が多かったので読んでよかった。というものです。
今回、未読の作品は比較的短めで短時間で読み終わるのですが、熟考が問われます。真意が分からないと作品の良さが分からないというか。特に11、12は2つで1作品。どちらかだけ読んでもダメな上にメタも相まってなかなかの変わり種。でも「……あつ(確信)」となった瞬間は最高です(笑)
9は人間の次元と精神をも超越する。というクラークの18番。
16はこれ、つまり……中也の「汚濁」か!? 地球の一千億倍もある重力の穴ってそういうことでしょ、きっと! うわぁあ……「文豪ストレイドッグス」8巻を読むと分かるけどあれ、食らったのか……フラットブッシュ号に合掌。
「太陽からの風」でした(・∀・)/
次はエラリーが検察局が持つ犯罪の実験室にご招待します(*^o^*)/~