ジョン・ディクスン・カー No.55◇死の館の謎◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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デリース館は「死の館」に変貌し、死と財宝が「謎」を作るーーーニューオリンズ3部作、完結!

 
 
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◇死の館の謎◇ -Deadly Hall-
ジョン・ディクスン・カー 宇野利泰 訳
 
 
歴史小説家ジェフ・コールドウェルは、ひさしぶりに故郷ニュー・オーリンズの地を踏んだ。彼を出迎えた旧友の住む邸は、二つの点で名を知られていた。一つは、秘密の隠し部屋にスペインの財宝が眠っているという伝説によって。もう一つは、謎の怪死事件が起きた〈死の館〉として。そして、いままた旧友の妹が不可解な死を遂げた……。本格派の驍将、カーが描く歴史ミステリ。
 
 
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奇妙な手紙で友人に招かれて、不吉な話を聞かされて、何の因果なシチュレーションで想い人と再会して、嫌な死に出くわして、命を狙われて。そして。
 
 
1927年。長年パリで悠々自適に小説を書いたジェフは久しぶりに故郷のニューオリンズに戻って来た。友人デイヴから奇妙な手紙を受け取ったのだ。
 
 
デイヴは妹サリーナと一緒にデリース館と呼ばれる屋敷に住んでいるが、その館は最近〈死の館〉と呼ばれるようになっていた。というのも17年前にある男が謎の死を遂げたからだ……しかも館には祖先が遺したスペインの財宝が隠されており、デイヴはそれを探すのに必死だ。
 
 
最近サリーナは怪しい行動を取っている。どうやら好まれざる人間と付き合っているらしい……しかしその人物が誰だか分からないうちにサリーナが死んでしまった。
 
 
サリーナの死が殺人なら17年前の事件も本当は殺人だったのでは? ジェフはただ巻き込まれただけのはずだったが、ジェフ自身も事件の渦中の当事者だった!
 
 
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「死の館の謎」です(・∀・)
本書を持って、「ニューオリンズ3部作」は完結します。今回の舞台は1927年。第一次世界大戦が終わり、束の間の安定の時期です。このぐらいになると歴史ミステリーに括っていいのか。だってこの時代ならカーだって知っているでしょーが←
 
 
本書は今までの2作とは違って、主人公はニューオリンズの出身です。といっても久しぶりのアメリカですが。長年ヨーロッパ暮らしのアメリカ人とかカー先生自身ですね←
 
 
さて、本書。友人に招待されて巻き込まれ型。さらに未練を持っていた過去の恋人といやーなシチュレーションで再会。無事にロマンス成就に……なりましたね。よかった!← むしろ今回が1番安心できました。大体意地を張ったり、謎の行動を取ったりと最後の最後まで不穏でしたからね! 階段で素っ裸にしてしまったり、シャワー現場に居合わせて冤罪食らったジェフ君には安定の愛の顛末が待っていました←
 
 
事件の方は……そのシーンは……というかそのキャラクターは本当に必要だったのかな!?
地震のシーン、いらなくない!? 何がしたかったんだ! 結局お前は何だったんだ!
 
 
っていうか最後、出さないのもおかしくないか!? 10歩譲って17年前の親族は良しとしよう。呼んだら新しい揉め事の始まりだし! でもチャックは呼んだ方が良かったんじゃないか!? 一応容疑者だろうが! あと終盤に行くにつれてなんでケイトは自然消滅よろしく消えちゃったんだろうか……
 
 
うーん……17年前の死に先祖代々の隠し財宝とか魅力的な謎が多かっただけにそこだけ残念。でもミノック警部補とギル伯父は良かった。
最初、ミノックと聞いて「ミミック」という言葉を思い出したので「……えっ、偽物!?」と思いましたが、こちらは違いました。残念!
 
 
 前回登場したトロウブリッジ警部補の名前が出てきて時間の流れを感じました。時間の流れをシリーズを通して感じられるところも歴史小説ならではの味ですね! 最終的な探偵はギル伯父ですが、ジェフの観察眼も大したものだと思うし、ミノック警部補も完敗を喫したわけじゃないと思います。ら
 
 
「死の館の謎」でした(・∀・)/
クラーク快進撃、3巻は少年が宇宙へ飛び出します(*^o^*)/~